ホーム > 時事・経済要点 >

日本の財政は破綻する可能性はあるのか!?低い給与水準がインフレを防いでいる!?

2021年10月29日 ネズミ1号:略称「T」
, タグ: , ,


円建てならば、借金をしまくっても大丈夫というのは本当?

日本政府の借金は1500兆の大台にちかづきつつあるようですが、日本のバブル崩壊以降、およそ数十年にわたって刷りつ付けた来て赤字国債の発行額も、近年毎年の発行量は結構なボリュームになっているようです。

日本の年間予算106兆円の半分近くが、赤字国債で賄われているといわれていますが、普通の家計で考えてばいつかは破綻するというのがセオリーです。

ただ一方で日本は円建て国債だから絶対破綻しないという話も聞きます。

今日は、ちょっと時間ができたので、円建て国債借金をこのまま永久に増やし続けていった場合、財政破綻しないのか?しないとしても、どのような副作用がおこりうるのか、普段、財政や金融には縁遠い素人ながらに頭の体操として考えてみました。


 

 

政府が赤字国債を発行
日銀が円札を発行してそのお金で政府が発行する赤字国政を購入

政府が赤字国債を刷って、日銀が銀行券を発行してそのお金で国債を買ってため込むということになるので、これを繰り返すということはひたすら日銀のバランスシートが膨らむわけです。
お金をどんどんするということは、日銀が創造する信用が膨れ上がり続けるということですね。

資産 負債
保有国債残高
(+赤字国債を購入し保有残高が増す)
発行銀行券残高
(+銀行券を発行して国債を買う)
現金 当座預金・・

※日銀がお札を刷って、保有資産として赤字国債を沢山ため込むと↑のようなイメージになる

※ちなみに実際の日銀のバランスシートはこんな感じみたいです。

faince.default-1.jpg

国債には償還期限がある

上の話とは別に借りた借金には必ず返さなければならない期限というものがつきもの。これが赤字国債でいうところの償還期間ですね。政府は発行した赤字国債の償還期限が到来すると利子とは別に、元本を返済しなければならなくなるわけです。


その元本を返済するために、また赤字国債を刷ってそれを日銀がお金を刷って購入し、その現金で元本を償還するというマッチポンプが繰り返されているようです。
つまり、償還のための赤字国債、財政出するための赤字国債と2つの性格の赤字国債を発行する必要があり、償還するための赤字国債は将来赤字国債を発行しなくなったとしても償還期限が到来する度に、先のようなマッチポンプを行わなければならいくなるわけです。

一度刷ったお金は減ることはない?創造して膨れた信用が崩れる時は?

円建て国債は決死てデフォルトしないとか言われています。

一方、国の借金を減らすということは、日銀が保有する国債を減らすことになると思いますが、これは、日銀が保有する債権をどのように吐き出すかとうことにつながるんでしょうね。


仮に外貨立てで外国に販売したとしたらギリシャのソブリン危機のようないろいろな問題が出そうですが、日本国内の金融機関や個人が購入した場合、銀行預金が国債の消失ともに消えることで、日銀のバランスシートが小さくなっていくイメージだと思います。

一方で、市中に出回るお金の量は変わらないわけなので、仮に日銀が保有する国債を円で売り払ったとしても結局のところは下のようになるイメージでしょうか。

資産 負債
保有国債残高 -(売却する) 発行銀行券残高
現金+(国債売却分現金がプラスされる) 当座預金・・


↑のイメージからは、国債の保有残高が減ったとしても、現金資産が増えることで差し引きゼロとなりバランスシート全体は実は変わらないのかもしれません。

一度、銀行券を発行したら、陰で回収して燃やして処分というのはできないということですね。

銀行券の元来の性質として重たくて持ち運びができない金貨を預けたことを証明する引換券だったことから、仮に銀行券が損傷受けたとしても、あづけた金貨はその人のものというのは変わらないわけでなので、陰で銀行券がなかったことにすることができてあら詐欺になってしまうのと道理が合うように思います。

一度創造した信用はなかったことにはできない。では、創造した信用が崩れる時はどんな時?

バランスシート自体を小さくするには、市中に出回っているお金を何かに償還しなければならいように思いますが、よく考えてみると・・・そもそも一度創造した価値を無いことすることはできないように思うので、一度中央銀行のバランスシートを大きくしてしまったら、小さくするにはデフォルトするか、お金の価値が少なくなって(周りから認められなくなり)通貨を切り上げるようなことをしない限り無理ないようにも見えますね。

つまりお金の価値を1000円が100円ぐらいとするみたいにリセットするということになりますが、いわゆる信用が崩れる(お金の価値がなくなる)とうのがこれにあたるんでしょうね。

信用が崩れる時 = インフレになる時

信用の価値が崩れる時ってどんなときか、想像できると思いますが、「お金の価値がなくなる時ですね。」
お金の価値が少なくなる時というのはインフレになってしまうことというのも腹落ちすると思います。

では、日本の借金モデルの場合、コントロール不能なインフレになる場合はどんな時でしょうか?

まずは、借金の使い道について想像してみます。

国が赤字国債をして借金をして、そのお金で、公務員の給料を支払ったり、福祉に使ったりすることで、市中にお金が出回まわります。つまりこれが使い道という感じ。


市中に出回るということは、一般国民の預金口座にお金が振り込まれるようになるということですが、実際はどうなのでしょうか?

一般的に、インフレになるケースとしては2つのケースが考えられるのではないでしょうか。

1つ目は、大量のお金が出回り、みんなが裕福になって(預金口座に有り余る金がある人が増えて)、少ない物資に対して大量の需要が発生して、ものの値段が極端にあがるような時

2つ目は、日本の円の価値が諸外国から見て限りなくゼロに近い価値しかないと認識されて、日本円で、エネルギー資源や輸入物資が買えなくなる時です。



実は、20年近く上がらない低賃金が日本国内でのインフレを防いでいた!?

各国中銀が、テーパリングや将来の利上げに向けて出口戦略を取りつつある中、日銀だけが、質と量は別しても量的緩和を継続するようです。


今、日本でも物価があがっているのは先の2つ目に関係する部分かと思いますが、1つ目の部分については、庶民大勢が裕福になる(賃金などがあがる)ことで起きることは明白ですね。


お金をどんどん刷って、赤字国債を発行していますが、その多くが、国債の償還に使われるようなマッチポンプとして循環したり、数十万人レベルの市区町村を含めた公務員などの給与や社会福祉に消えて行っているみたいです。


現在、日本の人口は1.2億ぐらいだったとおもいますが、その数パーセントぐらいにしかこうしたお金って行きわたっていないのだとしたら、インフレはおこりませんよね。賃金水準が20年前と変わらずというか、逆に減っているような状況だからこそ、市中にお金が出回っているようでも、モノへの需要増が発生しないのでインフレが起こるどころか、デフレが続いていたということが言えるかもしれません。

世界でバブルがはじけそうになっている今、日本では悪いインフレが起きつつある!?

市中にお金がある程度出回って、実は不動産の価格は結構上がってきているのをご存じでしょうか?都心のマンションは1億越え、私の近所も20年前は4000万前半だった戸建て物件が、今では6000万円以下の物件を探すのが大変なぐらいになっています。

また、一部では、高級な外車などが飛ぶように売れているという話も耳にします。そういう意味では、土地や株などでもうけているような人もいて、日本でも確実に資産バブルは起きていると言えそうです。

マンションや戸建ての値上がりは、20年前までは厳しかった住宅ローンも、ゼロ金利下で、銀行が積極的に融資してくれていたからだと推測していますが、足元では円安の進行とエネルギー高が進んでいます。

日本は資源がない国なので、輸入しないと十分な生活物資やエネルギーを賄うことができないとも言えますが、各国が膨れ上がった信用をこれ以上大きくするのをやめようとしている中、日本だけ安い賃金水準でインフレにならないことをネタとして量的緩和を続けています。

資源がない国なので、輸入に頼らなければやっていけない訳ですが、エネルギーをはじめたとした物資に、ハイパーインフレになりつつある世界の先進国需要が殺到して物資の価格が急上昇しているようです。

日本では、賃金は20年前と変わらない低水準なのに、光熱費や、物価だけが急激に上昇するといういわゆるスタグフレーションな状況が起きつつあるといえるかもしれません。

エネルギーや現在材料価格が上がるとモノの値段が上がることになる訳ですが、原材料高騰でモノの値段があがるだけなので、企業の利益は増えないというか、モノやサービスを買える値段にも限界があるので、逆に利益を圧迫するようになると思います。

物価が上がるのに、利益はでないー>更に賃金が下がる・・という最悪の循環がスタグフレーション下では起こるのかもしれませんが、現実にこのようなことが起きるのは是非回避してもらいたいものです。



2021年10月29日 ネズミ1号:略称「T」
, タグ: , ,


前ページに戻る


,  タグ: , ,


おすすめ記事

 

『スタグフレーション』の関連記事

  • ||| 日本の財政は破綻する可能性はあるのか!?低い給与水準がインフレを防いでいる!?

    ,

  • ||| 少しでも安くガソリンを給油する裏技

    , ,

  •  

    『金利』の関連記事

  • ||| 202X年世界経済崩壊で株価は1/10まで下落する可能性

    ,

  • ||| 換金を急ぐ売り手と突然いなくなる買い手:バブルはある日突然崩壊する

    ,

  • ||| 金利を下げて、タダに近いコストにしても、日本では資金需要が起っていなかった!?

    ,

  • ||| 株・土地バブルの為に金融引き締めを行うと経済全体を崩壊させることになるのか?

    ,

  • ||| そこまでインフレでない日本、でも住宅ローン金利上昇は避けられない!?

    ,

  • ||| 低金利が続いた住宅ローン金利の今後について調べてみた

    ,

  • ||| 四半世紀続いた米国スーパーバブル崩壊がはじまっている?

    ,

  • ||| 日本の財政は破綻する可能性はあるのか!?低い給与水準がインフレを防いでいる!?

    ,

  • ||| 日本でスタグフレーション!? 円安、国内物価上昇も所得はあがらないという悪循環がすぐそこまで迫っている!?

    ,

  • ||| コンビニ値下げ合戦参入:家計で使えるお金統計依頼過去最低に。

    ,

  • ||| 米失業率改善は人々が求職断念の現れであり、株高はリストラの進行を意味する:ノーベル経済学賞ファーマ教授

    ,

  • ||| 世界経済は失われた10年いや20年に突入する!?逆グローバル化概念で今後の米国産業構造を妄想してみた

    ,

  • ||| ハリウッドでも吹き荒れる「リストラ」の嵐

    ,

  • ||| 2015年以降-日本で大リストラがはじめる

    ,

  • ||| 世界的なディスインフレ:先進国の賃金水準、新興国にあわせ低下し続ける!?

    ,

  • ||| 成熟国では健全な経済成長はもはやありえない!? 世界が日本流の長期停滞に入る恐れも?

    ,

  • ||| 来年2014年:QEなどの実験は失敗、成熟国のインフレ(成長)は難しいと実感する年になる!?

    ,

  • ||| イエレン氏:負の遺産の精算と米経済血流を末端まで流す政策を約束

    ,

  • ||| 量的緩和には配管整備が必要。スティグリッツ教授マクロ施策だけではなんの対策にもならない

    ,

  • ||| 円安一服でアベノミクス期待後退へ!?ポジショントークによる情報戦に惑わされるな

    ,

  • ||| ウォーレンバフェット氏の投資の裏ワザ!実はすごくシンプルだった。

    ,

  • ||| 法人税増税は経済効果にやはりインパクト大!?

    ,

  • ||| 政府の景気対策はなぜ法人を優遇するような施策ばかりなのか?

    ,

  • ||| 消費税増税前の駆け込み消費は損をする!?

    , ,

  • ||| 迫り来る日本財政破綻の危機?消費税増税とアベノミクス

    ,

  • ||| すでに織り込み済みだった!?FRB出口の延期:影響についてまとめてみた

    ,

  • ||| QE3縮小延期から考えてみる庶民のマイナスシナリオ

    ,

  • ||| 太陽風が金融マーケットをリセットするXデー!?

    ,

  • ||| 例えば...共産圏へ流れるマネーという見かた。

  • ||| 円安期待が裏切られる日

  •  

    『金融政策』の関連記事

  • ||| 202X年世界経済崩壊で株価は1/10まで下落する可能性

    ,

  • ||| 成長への期待価値から収益重視の時代に・・

    ,

  • ||| 企業価値判断基準に変化:ハイテク企業の投資家評価は成長から利益重視へ

    ,

  • ||| 無料が前提だったSNSサービスも景気後退ともにフリーミアム化が推進される

    , ,

  • ||| 配当も利子もつかない仮想通過の暴落が止まらない

    ,

  • ||| 景気をけん引してきたGAFAをはじめとした巨大IT企業で不採算部門の見直しが加速する先に見えるもの

    ,

  • ||| テスラ株暴落、米国IT企業の株価下落と赤字体質脱却リストラから見るリセッション局面

    ,

  • ||| 今後、住宅ローン金利はどういったペースで上昇するのか?

    ,

  • ||| 米国2大IT企業増収・減益から読み解く米景気後退の足音

    ,

  • ||| ポンド安でEU離脱した英国の一人勝ちとなる可能性?

    ,

  • ||| 行きすぎな円安は悪い論と近隣窮乏化政策(Beggar thy neighbor)

    ,

  • ||| 最近目にする空売り系記事は米株価下落相場のポジショントーク!?

    ,

  • ||| 換金を急ぐ売り手と突然いなくなる買い手:バブルはある日突然崩壊する

    ,

  • ||| 金利を下げて、タダに近いコストにしても、日本では資金需要が起っていなかった!?

    ,

  • ||| 株・土地バブルの為に金融引き締めを行うと経済全体を崩壊させることになるのか?

    ,

  • ||| そこまでインフレでない日本、でも住宅ローン金利上昇は避けられない!?

    ,

  • ||| 半導体バブルはピークアウトするも、なぜ新車納車を1年以上待つ事態が起こっているのか?

    ,

  • ||| 四半世紀続いた米国スーパーバブル崩壊がはじまっている?

    ,

  • ||| 日本の財政は破綻する可能性はあるのか!?低い給与水準がインフレを防いでいる!?

    ,

  • ||| 日本でスタグフレーション!? 円安、国内物価上昇も所得はあがらないという悪循環がすぐそこまで迫っている!?

    ,

  • ||| 開発と製造の分離ができない自動車メーカーは凋落していく?

    ,

  • ||| 日本でも量的緩和をしているはずなのに日本の消費者物価指数が低いのはなぜ?

    ,

  • ||| そろそろ限界?世界的な金融緩和

    ,

  • ||| 量的緩和をやってしまった日・米・英がこれから直面する局面とは?

    ,

  • ||| バランスシート不況とは何か?みんなが一斉に借金返済に走るとどうなるか!?

    ,

  • ||| FRB量的緩和縮小根拠から推測する来年の景況

    ,

  • ||| 米失業率改善は人々が求職断念の現れであり、株高はリストラの進行を意味する:ノーベル経済学賞ファーマ教授

    ,

  • ||| 世界的なディスインフレ:先進国の賃金水準、新興国にあわせ低下し続ける!?

    ,

  • ||| 成熟国では健全な経済成長はもはやありえない!? 世界が日本流の長期停滞に入る恐れも?

    ,

  • ||| 来年2014年:QEなどの実験は失敗、成熟国のインフレ(成長)は難しいと実感する年になる!?

    ,

  • その他の関連記事

     

    おすすめ記事

    記事カテゴリー

    タグ

     

     

     

     

     

    ブログランキング・にほんブログ村へ
    にほんブログ村


    人気ブログランキングへ

    過去の記事