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成長への期待価値から収益重視の時代に・・

2023年01月24日 ネズミ1号:略称「T」
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しばらく低成長×省資源×低空安定の時代?

米国の大手IT企業による大規模なリストラ策が発表されています。大規模な金融緩和によるマネーの行き先として実はそこまで革新的ではない技術、サービスへ対し、成長性が期待できるかもとして投資が流れていたともいえるのかもしれません。

高いインフレ率回避のために利上げをした瞬間にGAFA、Microsoft、SalesForce社をはじめとした巨大IT企業が軒並みリストラ策を打ち上げた背景には、実は経営陣もこのような認識をもっており、利上げという金融引き締めトリガーが引かれたのを契機に行動に移したという感じなのではないでしょうか?


 

 

今回のリセッションは全世界的なものになる?

市場にあふれるマネーにより、先端Tech領域のみならず、将来へ向けての楽観論からファーストフードのアルバイトの時給が3000円、都市部の家賃が平均30万円/月近くまで高騰していると言われる米国では、先に述べた先端テクノロジー企業の株価は半分近く、もしくはそれ以下まで下落の様相を呈しています。

こうした企業を頂点として、高年俸を享受してきた母体が倹約へ傾向することで、これまでイケイケだったモノやサービスも売れなくなるわけで、この流れから世界へ分散した製造行、チップを含めた部品メーカーなどもこのあおりの影響を受けることになると言えるでしょう。

これは、米国のみならず、ヨーロッパ、アジア・アフリカ地域を含む幅広いエリアで今後経済が踊り場に入ることを示唆しているといえるのかもしれません。

資本主義の限界値

日本政府は、iDeCoやNISAなどIndex投資へ預貯金や積立による投資を今後ある一定額までの無税化により推奨するみたいですが、2000年代のリーマンショック時移行から経済規模拡大路線であれば、15年、20年スパンで数倍から数十倍の資産の拡張という幻想を抱けたかもしれませんが、米国中心、Euro中心、世界分散等いろいろなメニューがありますが、全世界的に、成長を前提として資本主義メカニズムの限界点を迎えており、人口面、資源面である種のターニングポイントを迎えているとしたら、今後数十年にわたって違った成長メカニズムが当てはめられるかもしれません。

銀行にお金を預けても、投資に回しても、どちらのお金も間接的、直接的に債券や株に投資されるわけで、投資信託系の消費は手数料でもうける商売であることを考えると、上記のような流れに乗せられてリスクテイクすることで利益を上げるというスキームは今後十数年先どうなるか個人的には不透明なように思えてなりません。

利上げ・金融引き締めの落ち着いた先:こうした見方もできる

利上げ水準が落ち着き、インフレも適正水準になれば、銀行金利も1~2%はつくわけで、仮に1000万預けて置けば以下の福利計算式より10年銀行に預けた場合、100万~350万円増える可能性も考えられる訳です。

元本×(1+年利)^年数

1000万円×(1+年利1%)^10年=¥11,046,221円

1000万円×(1+年利2%)^10年=¥12,189,944円

1000万円×(1+年利3%)^10年=¥14,802,443円

そうなると、ある程度投資に回せる資金を持っている人は、底値だから買いあさるリスクを冒すよりもとりあえず銀行に預けておいて利息を少しでももらおうという雰囲気になるようにも思います。

次の時代のエネルギー革新、労働集約型の経済成長の変革、有限な資源を有効に活用できる革新的な何か・・こうしたエポックメイキングなことがら見えてこないと、10年、20年先がなかなか見えてこないのかもしれません。



2023年01月24日 ネズミ1号:略称「T」
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