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物価上昇率と失業率:インフレ動向分析に欠かせないフィリップス曲線
日本では金緩和政策が10年以上続けてられてきましたが、株価や土地価格が上がった一方でデフレからなかなか脱却できないという論調がこれまで占めていたように思います。一方、今年に入ってから円安、諸外国の需給ひっ迫による物価高がさけばれるようになりました。
日銀は、現金融緩和を継続する方針だそうですが、住宅ローンや借金をしている人は今後の金利が気になるところです。
今回は、金融政策における指標として使われているという物価上昇率と失業率相関を見るフィリップス曲線を使って、今年に入ってから現状がどんなポジションになるのか個人的にプロットしてみました。
物価高、円安と言われている現在の日本の状況は?
2023年に入ってからの失業率と物価上昇率の大まかなデータを総務省統計局のサイトからざっくり引っ張てみると・・以下のような感じになりました。
|
1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
失業率 |
2.8 |
2.8 |
2.6 |
2.5 |
2.6 |
2.6 |
物価上昇率 |
0.5 |
0.9 |
1.2 |
2.5 |
2.5 |
2.4 |
グラフにすると、ウクライナ戦争を契機として物価上昇率は一気に0.6から2.5まで上昇しているようです。一方で失業率は2.8から2.5まで下がりましたが、直近2か月では、2.5-6で下げ止まりとなっているようです。
<図1:2023年1月から7月の失業率・物価上昇率>
上図と下図の赤枠部分を見るとわかりますが、物価上昇率と失業率の関係には相関関係があるとのことで、この指標つかって、お金を刷りまくってもハイパーインフレにならないようにコントロールする指標としているようです。
「物価上昇率があがると、失業率が下がる」という相関関係を合わしたもがフィリップス曲線と言われていて、紙幣の供給を制御する(マネタリーベース・マネタリーサプライ)指標としてよく参照されるなのだそうです。
<図2:上のデータフィリップス曲線っぽくしたグラフ>
確かに、上のデータをフィリップス曲線ぽく散布図にしてみるとエクセルの分析ツールで高い相関関係ありとの結果がでました。
これは、金融緩和に代表される金融政策は失業率を下げるために行うものなのだそうで、あまりやりすぎないように、物価上昇率をみながら、失業率が下がる様子をみているのだとか。
ある一定ラインの物価上昇率を超えると、失業率は下がらなくなる(これを自然失業率というそうです)ようですが、このラインが確認できたら、金融緩和政策はもそろそろいいかなぁ・・ということで、元に戻すことを検討するという感じです。
物価上昇率があがっても(インフレになっても)、失業率がさがりつづけているのならあ金融緩和政策をしても差し支えないという考え方ですね。
図1と図2を見比べると分かりますが、日本の失業率は、2%前半をラインとして下がらなくなっているようです。
物価上昇率は、若干下がってきていますが、(原油がおちついたから・・?)金融政策という点では、まだまだ現状のゼロ金利、緩和先を続けて問題ないというようにも読めますね。
一方で物価上昇率は現在は、外部要因であがっている部分が大きいと思いますが、財政支出がしょぼいと言われていますが、国内経済における賃金上昇はなかなかあがらない状態のようです。
金融緩和によって、株や土地の値段がバブルなみになったように思いますが、国内設備投資増やあらたなサービスなどが開発されるわけでもなく、企業もなかなか投資(設備、及び、人的投資)まわさず内部留保という循環になっているようで、賃金はなかなか上昇しないようです。
内部留保を賃金補填にあてるような最低賃金を上げるような話もでているようですが、これは大企業向けの話であって、80%以上を占める中小企業にとっては逆に体力を消耗させる内容となり、失業率をあげてしまうような逆効果になるかもしれません。
ここにきて、長期金利が上昇しつつあるようで、日銀は必至に指値オペなどで押させようとしていますが、マーケットでは日本に対する金利上昇期待がたかいようで、上記状況であるにもかかわらず、来年の黒田総裁退任以降、金融政策が転換されるような論調が高まりつつあるようです。
財政支出についても、現政権では財務省の意向が強く期待できないとも言われています。
住宅ローン金利は上がる方向へ?
このような状況で、金利が上がったとしたら、無理して購入した都心のマンションや新築物件のローンを払っている人は大分厳しくなるのもなんとなく想像できます。
1%以下の変動金利で安く借りていた借入残債の返済に、2~5年後に2.375%から3%の金利を支払うこととなったら、4000万円借り入れしていた場合、月額6万―8万支払いが増えるわけです。
(金商契約では、月次で0.25以上の返済上昇は回避するような条項があるケースが多いので、じわりじわり上昇して行き、気づいたら!という感じになると思われます)
都内の住宅価格はマンション、戸建てともに、平均7000万円とも言われていますが、1000万頭金いれたとしても6000万円借り入れとなると、変動金利上昇による月額返済額の増加分は大変なことになるようにも思います。
一方、金利が上がり、金融引き締めがなされるようになると、それまで下りていた住宅ローンもなかなか満額でおりなくなるのは容易に想像できますね。
これまで7000万円でも買い手がいた物件に買い手がつかなくなるわけです。
上の記事でも紹介しましたが、これから土地や住宅の価格は下がっていくとになるかもしれません。
住宅価格が下がって、ローン返済における月額支払額が上昇するという悪循環が起こるというですね。
当然、消費も冷え込むでしょうし、住宅価格下落やエネルギー価格や穀物価格などが落ち着くことで、またデフレのような状況になるのかもしれません。
都銀や地銀のローン金利をみてみると、現在は変動金利を安く設定して、固定を高めに設定しているようですが、日銀よる量的緩和引き締めがはじめると変動金利も金利上昇期待値を織り込みながら、徐々に上昇しはじめるかもしれません。
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