2022年07月15日 ネズミ1号:略称「T」
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新築住宅を手掛ける知人と久しぶりに話をする機会がありました。
昨年から「木材などの資材が品薄になり大変だよ」という話は聞いていたのですが、今年にはいってから同じ仕様の新築住宅を建てるのに3割原価が高くなっているそうです。
これまでは、なんとかそれなりに立地が良く、訳ありで安めに仕入れられる土地を購入し、上物である建物価格上昇分をなんとか吸収し、販売価格の極度な上昇を抑えてきたそうですが、今年に入ってから新築住宅価格に原価上昇分を加味して販売価格に反映させているそうです。
5000万、6000万で販売していた同じような新築物件があるとします。
仮に土地の価格を半分として
5000万円の物件は、
土地:2500万
+建物:2500万×1.3倍
ーーーーーーーーーーー
=5750万(750万円増)
6000万円の物件は、
土地:3000万
+建物3000万×1.3倍
ーーーーーーーーーーー
=6900万(900万円増)
いずれも1000万円近く割高となってしまいます。
新築販売を手掛ける業者さんは、土地よりも上物で利益を上げてなんぼという部分が大きいので、土地をいかに安く仕入れるかがポイントとなっているようですが、今年に入ってからは、借地権付きの新築戸建ても手掛けるようになったとのこと。
世田谷区で30坪以上の土地で上物作りはまさに豪邸4LDKといえるスペックで7000万から8000万という価格です。
都心のマンションと比べると、値ごろ感を感じてしまう人もいるようなので、どれだけ物件価格がバブル気味であのかなんとなく理解できてしまします。
私の家は、ちょうど世田谷区と調布市、狛江市が隣接するエリアなのですが、20年ほど前は、新築戸建ての価格帯と言えば、だいたい4500万円くらすを中央値として5000万円代は、プラスαのプレミアムがついて物件、6000万に届く物件はプチ豪邸という感じでした。
2021から2022年にかけては、4500万円台くらすの物件が5000万、5000万くらすの物件が6000万超え、6000万くらすの物件が7000万越えという感覚で見ています。
15年から20年ほどで、私の近所の住宅価格は、およそ1000万近く住宅価あがっていると個人的に認識しています。
これだけ新築価格があがっているのに、知人の社長が言うには、物件を出せばすぐに売れてしまうのだそうです。
日本では、金融緩和政策を継続しているのですが、実は固定金利については、3%まで各行あげているのだとか。
アベノミクス円熟期の住宅金融公庫の30年固定金利が1%台だったのを記憶しているので、3%台となるともやは固定金利は手を出せる領域にはないかな・・という感じです。
一方、変動金利については、初期N年間のプレミアム金利等で1%台や場合によっては1%台を切るような金利で融資が下りるケースもあるのだとか・・・
これは言ってみれば、バブル気味の物件を将来あがるかもしれない変動金利で購入してしまっているかもしれないということが言えるかもしれませんね。
ただ、住居はあくまでも住むためのもの。投資ではないので、家族が気に入った物件で無理のないプランで購入できるのでしたらOKだと思います。
知人の社長によるは、今期まではなんとか調達した資材でまかなっているが、来年度以降は、目途がたっていないとのこと。
建築木材や建具、水回りなどの器具、壁紙や細かな資材まですべてが値上がりし、仕入れが難しくなっているのだとか。
今年の段階で押しなべて3話割コスト高になっているということなので、来年は4割増しなどもありえるかもしれないとのこと。
20年前に比べ、価格があがっている新築住宅ですが、今年年末までの段階でさらに建物原価が3割高、次年度以降さらなる値上げが見込まれている中、固定金利は上昇傾向で、変動金利で借り入れする方向にならざるを得ないとう状況あると言えますね。
実は、20年前の金利は、各行だいたい2.375とか2%台だったと記憶しています。
変動はそもそも高かったので、考えませんでしたが、金融公庫等の1%で33年固定で購入した人は高めの新築住宅を購入したとしてもある意味勝ち組みと言えるかもしれませんが、2022年以降、万が一日銀が量的緩和をシュリンクさせるような方向になると確実に住宅不況がおこるような気がします。
という意味で、今リスクを負って住宅を購入するか、来年の様子を見て考えるか・・
必要な情報収集をしつつ、販売店の売りたいという力学が働いている営業担当の話していることを照らし合わせて、じっくり判断してはいかがでしょうか?
個人的には、以前と比べ1000万から1500万近く高めの物件を購入するという感覚があるので、固定金利での月額い払いに無理があるようならば、慎重に考えた方がいいかなと見ています。
たとえば、5年ぐらいかけて金利が最終的に1%あがると月額支払が10万円代が5年後に13-14万円と上がるような支払いを是非イメージしてみるといいかもしれません。
都心に近い物件は、ますます購入しにくくなり、どんどん都心から離れた郊外の物件をみてまわるようになるのかもしれませんね。
ただ、郊外の物件ほど土地の担保価値がさがるので、上物である建物の価格だけが上昇するというトレンドとなると、非常に悩ましい所ですね。
こういう流れが10年近く続くと、実は、郊外回帰ではないですが、郊外の町が栄える方向に向かうのかもしれませんね。
リモートワークなどのポストコロナのニューノーマルな生活様式などもの影響についても検討ポイントになりそうですね。
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