インカムゲインとは、資産を保有している間に継続的に得られる収益のことを言いますが、具体的には株式の配当金、投資信託の分配金、預金や債券の利子、不動産家賃収入などがそれにあたると言えるでしょう。
インカムゲインに対して、保有する資産を売却して得られる利益をキャピタルゲインと言うそうです。
インカムゲインは、言うなれば資金や不動産など資産を持っている人が狙える収入と言えますが、正直サラリーマンがコツコツ貯めてというのはかなり無理があると言わざるを得ません。
つまりつまるところそれなりの資産を保有もしくは得ることができないとゲインは少ないということです。
よく30代から積立NISAとか目にするようになりましたが、20年ぐらい積立して2000万円ぐらいの保有資産を目指しつつ、それまでの過程で複利により保有資産に対する利ザヤを収益として得るという感じでしょうか?
よく目にする複利とは、運用で得た利益を元本にプラスして再投資し、更に利益を得る方法ですが、年利8%で100万円のN年後の計算方法としてよく下記の式が使われます。
元本(1+利回り)^N
100万円を10年間8%で運用した場合
100万×(1.08)^10=¥2,158,925
8%の利回りで、10年かけてようやく倍になる感じです。
仮に30代で1000万円を10年間塩漬けにすることができ、かつ、年間確実に8%の利回り成績を得られる場合、10年で2158万円となり1000万強のインカムゲインが得られるというイメージです。
35歳ぐらいまでに1000万貯めて、45歳までに超順調にいって1000万儲かるということですが、20年近くつづいてきた金利のない世界で、年利8%というのはかなりリスクテイクした利回りだと思います。そういう意味では計算して、仮に〇〇ならば・・・と夢想してしまいそうですが、実際にそのような投資案件や利回り案件ってなかなかないのが実情だと思います。
よくポートフォリオを自動で組んでなどいろいろありますが、利回りを多めに設定してしまうと、どうしてもちょっとここは・・という国の債権などがまざってきたり、中身をいろいろと見て、リスクを極力取らずにとなると・・・やっぱり2~3%もいければ・・・という所感になるように思います。
投資=リスクを負うことでより高いリターンも得るもの
と理解した方がいいでしょう。
経済規模というものは10年単位で成長するものだという方もいらっしゃいますが、20世紀初頭の近代貨幣システムが稼働してからの現在までのことであり、人口ピークを迎える世界経済、そして資源や環境問題を抱えつつある今、本当に未来永劫経済規模が大きくなり続けるのか?個人的にちょっと疑った目で見ているところもあるのですが・・・。
世界的な量的緩和がなされて、株価が超上昇傾向にあったここ15年ぐらいラッキーな人は株や投資信託で試算を増やし、中には億り人になったと話題にするような見出しも見かけることがありますが、正直こういう人は非常にラッキーだったから宣伝に使われる特殊な事例と思った方がいいでしょう。
投資信託については、NISAなんかは1500万円ぐらいまで20%ちかくの税金免除とかありますが、手数料なども取られるので思った以上に手元に残る金額は少ないでしょうし、逆に頑張って途中で元本割れしてしまったりなくなるということは一切ない貯金をコツコツする系:月10万円を10年間貯金して1200万円貯めてから考えるというが若いうちはリスクがなく確実だと思います。
今後、仮に金利が生じる世界にっていくとしたら、そこまで急激に金利は上昇しないとは思いますが・・・貯金(貯蓄)&複利がより確実な手段となると言えそうですね。
若い時期に仮に10年間貯蓄を頑張って1000万近い資金を貯めたとしましょう。
家を買ったり、子供の教育費がかかったりと継続的に貯蓄をすることはなかなか難しいかもしれませんが、それでも継続的に決めた額を貯蓄に回すという点が重要なポイントとなります。
月5万円貯蓄にまわすことができれば1年で60万、10年で600万となります。ボーナスをやりくりして年30万円ほど貯金できれば10年で300万円。と1000万円近い貯金を作ることは10年スパンで計画するとそこまで不可能なことではないと言えるでしょう。
そうい意味では、住宅ローンなどのボーナス払いだとか、月収に占めるローン割合がギリギリというのを組むのはご法度です。
30代後半から40代にいたるまでに手元資金が1000万円あるとしたら、インカムゲインをねらえる投資ができるようになるかもしれません。
銀行による信用、住宅ローンの組み方にもよるとは思いますが、信用面で堅実に生きてきた人であれば、不動産経営、それもアパートやマンション1棟経営が1つのインカムゲインなりえます。
とは言え、10年ほど前の収益物件バブルの時のようにフルローンは厳しいので、それなりの元でが必要になります。
例えば、8000万円の1棟アパートで、利回り8.5%台の物件を運よく手に入れられるケースを想定してみましょう。
銀行から35年ローンで、7800万円、金利3%で融資が引けて、自己資金600万円で計8400万円で購入したとします。
すると、月返済額はおよそ32万円
ExcelでPMT関数を使うと簡単に計算できます。
=PMT(利率/12,返済期間*12,借入金,0)
利率 | 返済期間(年) | 借入金 | 月返済額 |
3.5% | 35 | 78,000,000 | ¥-322,367 |
月額家賃収入 56万円 - 月返済額32万円 =22万円の粗利益
管理会社に管理委託を5%、その他諸経費が3万ほどかかるとして
(56万円- 管理費2.8万 - 諸経費3万)ー 月返済額32万 = 18.2万円
と18.2万円が税引き前利益となる訳です。
また、アパートなどの固定資産は建物等が減価償却できたり、建物分の利子の経費算入もできる年間家賃収入から経費を引いてという感じで決算する形になるでしょう。
当然アパート1棟となると、上記以外にも、固定資産税などの支払いもあり、実際は、手取りベースで考えると上記のような物件を手に入れて経営したとしても13万円から15万円ほどになってしまうかもしれませんが、それでも、月当たり15万円リタイアした後に入ってくるというのは他の投資案件ではなかなかないのではないでしょか?
住宅ローンは終わっている前提ですが・・・
早期リタイア前提で60歳から年金をもらうことを考えてみると・・・
<年金受給例>
年額 | 月額換算 | |
60歳 | ¥1,515,689 | ¥126,307 |
65歳 | ¥2,020,918 | ¥168,410 |
70歳 | ¥2,869,704 | ¥239,142 |
75歳 | ¥3,718,489 | ¥309,870 |
例えば、一般的なサラリーマンの年金額事例として、早期リタイアする前提で60歳から受給して月12.6万だったすると、以下のような老後がなんとなく見えてくるようになるのではないでしょうか?
- 税・医療保険等が差し引かれるので10万円ほど
- プラスして月10万円程家賃収入
→ 計20万円ほどの生活費を確保できる。- 不動産収入の5万円は積立
→ 年60万ほど貯金
- ちょっと贅沢な旅行資金用途
- 予期しない不動産修繕などの積み立て用途 等
リタイアした後にアルバイトするにしても、月額+15万円稼ぐとなると結構大変でしょうし、逆に月20万円ほどのベーシックインカムが保証されるのであれば、心に余裕を持ちながら趣味を生かした副業にトライしたり、割り切って短時間のアルバイトをしてもいいかもしれません。いずれにしても、月額10万~15万円のリターンが見込める投資対効果が見込めるのなら1棟モノ経営を目指すのはありかもしれません。
ワンルーム投資の勧誘が来ている方もいるかもしれませんが、物件自体の管理費や修繕積立金をはらいながら空室リスクを考えるとなけなしの資金をつぎ込んでやるべき投資ではないことは良くわかるのではないでしょうか?
ただし、上記のシミュレーションはあくまでも満室経営ができた時の話。
中古アパートやマンションを買う際には、大きなお金が動くので事前に物件の修繕が今後どれぐらいかかりそうか?立地と建物の状態からして現賃料が適正賃料であるかなどさまざまなことを分析、裏トリする必要があり、それなりに自分で事前学習しておかないと、売り手言うことを鵜呑みにしてしまい、銀行サイドも物件の詳細までは確認する訳ではないので、不良資産をつかまされることもあるかもしれません。
いずれにしても、大きな資金を引きながら、自己資金をつぎ込むこととなる訳ですから、数年の準備期間を経ながら、本当に間違いないと確信がもてる物件に巡り合う行動をとるのが重要でしょう。
ただ、それだけの労力をかけても、優良物件を手に入れることができれば15年スパンぐらいで安定した経営ができるのが魅力の一つと言えると思います。
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