一般的に知られていないかもしれませんが、しばらく車を放置している思いもよらない不具合が起きるって知ってました?
一般的に、エンジンを切っておいておくだけならば、故障するわけないと普通に考えてしまいそうですが、最近の車というとか、日本車も含めてだと思いますが、エンジンを切っても、盗難防止装置やキーレスエントリーの待機機能など、エンジンをかけていなくてもバッテリーに蓄電された電力を使って最低限の機能が動き続けていたります。
リモコンキーでドアロックがあくのが当たり前になってきていますが、どんどん便利になるにつれてただ置いておくだけでも、いろいろな機能が作動するようなある365日24時間つけっぱなしの家電のようなものになってきているといってもいいかもしれません。
実は、趣味のアウトドア用途でSUVを所有しているのですが、車は動かさないと故障すると頭でわかっていても、年末から年明けにかけて、多忙を極め、1か月近く車のエンジンをかけず放置していたことがありました。
そろそろさすがにやばいかな・・・ということで、1か月弱ぶりにリモコンキーでキーロックを解除(キーロックが動いていたのでホッとしたのですが・・)ドアをあけ乗り込み、スタートキーを押してみると・・イージーエントリーシステムという機能が動作してないことを発見。
このイージーエントリーシステムというのは、私の車に装備されている機能で、車から乗り降りする際に、ハンドルなどが自動で動いて乗り降りをしやすくしてくれるものだったりするのですが、つまり、車に乗るときは、ハンドルが一番上の位置にあがっている状態となります。
エンジンをかけると、自動でハンドルが下がり、前回運転していた状態を記憶していて、運転しやすい位置に自動でもどるのですが、1か月放置後、エンジンをかけてもハンドルは上がりっぱなしで動きません。
「あれ?」ということで、ハンドル付け根にあるコントローラーでチルトアップ、ダウンを試したのですが、モーターが回ろうとしているカチカチという音だけして、チルトが効きません。
私の車には、チルトだけでなく、ハンドルを前後にモーターで調整もできるのですが、こちらの方はきちんと機能していました。
やってしまった・・
と思い、ネットを調べてみたのですが、ほとんどの記事では、DASSでFailedを解除し初期化すれば治るとされていました。
どういうことかというと、長期間エンジンをかけず放置することで、バッテリー電圧が下がり、ハンドル一座標が把握できなくなってイージーエントリーシステムがハンドルの"初期座標位置"を把握できなくなって動かくなくなるというもの。
でも、それならば、チルトアップ、ダウンだけ動かないのってちょっとおかしいですよね。
ハンドル調整のつまみを上下にすると、「カチッ」とモータは動こうとするんです。
イージーエントリーシステムについては、初期座標データ消えることで元の位置にハンドルを戻せなくなるというのは理解できますが、マニュアル操作ならばモーターが動かないはずはないのでは?素人ながら直観が働きます。
つまり、いちいちマニュアルでモーターを動かす処理に、モータ回転数と座標との関連を持たせた数値を送ってモーターを制御しながら動かすような複雑なシステムを自動車メーカーが採用するか?ということです。
壊れにくいシステムを普通に考察すると、記憶した座標と現在位置を把握するデータ2つのみ保持し、その2つのデータを比較して、一致するまでモーターをひたすら回すという簡単な制御かけるのが理にかなっているといえるでしょう。
とは、いいつつも、それぞれの個体の状況によりいろいろな原因が考えられるんだろうなぁということで、今回もヤナセ整備工場の担当に連絡して、車の状態を見てもらうことにしました。
初めのうちは、DASSでエラーを見ながら、バッテリー電圧も確認して、フェイルがあれば、初期化してみて、症状が改善し、バッテリー電圧が低くなっているようならばバッテリー交換というシナリオで作業いただく予定でした。
MLクラスのバッテリーが代替7-8万ぐらいするので、DASS費用含め8-9万円の出費になるかも・・と覚悟していましたが・・、整備工場の方が、実際の状況を見て、他の原因が思いついたようです。
その原因とは、
コンピューターエラーではなくて、単なる機械的に歯車のかみ合わせがロックしてしまっているというもの。
イージーエントリーをONにしていて、エンジンを切った際に、ハンドルが一番上にあがった際に、なんらかの拍子で、歯車が限界以上に加味合わさってしまって、そのまま放置してしまうことで、油があまりない部分となるので、歯車同士が固まってしまって、ハンドル位置調整レバーを上下に動かしても、モーターが動こうとカチ、カチと音がなってもチルトUp、Downができなくなることが多いのだとか。
ということで、今回は、DASSにも欠けることなく、専用工具?でハンドルをドンドンたたきながら(ゆするりながら・・)チルトUP・DOWNボタンで歯車がうまくかみ合って動くようにという作業をDASSを通す前に行っていただけたそうです。
結果は、見事不具合解消・・・。とのこと。
治ってしまいましたが、DASSとバッテリー電圧検査やりますか? 1万円ほどかかってしまいますが、見た限り、不具合なさそうですし、勿体ないかと・・
と提案いただき・・「今回は、これでしばらく様子みてみます・・」
ということで、結果としてコストゼロでハンドルのチルトアップダウンができないという不具合は解消することができました。
コンピューターエラーの場合は、チルトだけでなく、前後も動かなくなるのでは?との情報もいただきましたが、近年電子制御化が進み、私自身、とりあえず、コンピュータでエラーチェックという頭になっていたわけですが、はやりプロのエンジニア・整備の方は一味ちなうなぁ・・と再認識する良い機会となりました。
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