2022年09月07日 ネズミ1号:略称「T」
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「DXブームが「終わりのはじまり」」
Web2.0、Web3.0、DXバブルといった言葉を聞いたことがある人もあるかもしれませんが、ITやICTそしてDX(デジタルトランスフォーメーション)と呼び名を変えながらITバブルは約四半世紀に及び続いてきたようです。
IT=インフォーメーションテクノロジーという意味だと思いますが、1990年代中盤以降にはじまったインターネット情報革命がそのはじまりだと言えそうみたいです。
そして、このIT革命も、DXというある意味つくられたブームを最後として終焉に向かうようです。
初期のインターネット革命時代は、ドットコムバブルなるブームも起きて、何でもかんでもインターネット化すれば株価があがるという時代があったのを記憶しています。その中で、ECが普及したりやオフィスのインターネット化が進み、企業の基幹システムなどにおいては、プロプライエタリなシステムからエンタープライズソフトウェアへと置き換わっていったと言えます。
それまで、そこまで脚光をあびなかったシステムインテグレーション市場では、プリミティブな言語やハード構成から、JavaなどのOpenでオブジェクト指向な概念が広がり、その後システム維持費用の効率化、本業へ資源集中という観点から、SAPやSaleceForceなど外部エンタープライズプラットフォーマへの乗り換えも進んみ、以前では考えらなかったOSS(オープンソースソフトウェア)で構成される企業システムなども当たり前となりながら、SIベンダー界隈ではそれ以後、バブルとなっていたと言えるでしょう。
一方、B2Cの分野では、GAFAに代表されるフリーミアムモデルを強味としてさまざまな基本的なサービスが無料でインターネットで使えたり、便利なコマース体系が既存流通概念を覆したり、Appleによってスマホという新たな携帯端末の普及にともない、SNS等人々のインターネットの利用スタイルが激変したりもしました。
近年ブームのように叫ばれているDXについては、分散暗号化やクラウド化や、AIといた技術基盤を活用し、働き方そのものが変容したり、社会のインフラ基盤が変容していく絵姿が良く語られます。
例えば・・
- スマートフォンなど携帯端末が個人の主要アクセス端末となることで生じるサービス革命
- 企業における業務プロセスのデジタル化における分析可能化、さらなる効率化サイクル
- 支店の無い、オンラインだけで完結する銀行
- EV、自動運転、CarOS、スマートグリッド
- ビッグデータの活用
- 無人店舗
- AIなどを活用した庶務業務の無人化
- デジタル紙幣
等
これまでの労働集約的な人手で支えられてきた社会構造から出来る限り労働集約的なコトやモノを排除し究極な効率化を目指していこうという流れのように見えるかと思います。
ハイプサイクル、イノベーター理論で良く語られますが、究極に言うと、上記であげた事例は、ここ数年もの間POC(Proof of cecept)といったフェーズでしたが、今後数年間の内に現実世界にあたりまえのような仕組みとしてどんどん具現化して行く流れとなっているようです。
自分が普段生活している空間(職場や学校、町のあちこち、サイバー空間)にこうしたものが当たり前のように存在するのに違和感がなくなった時、DXバブルは値ごろな時代を迎え、そして、終焉の時を迎えつつあるということになるのかもしれません。
こうした変化が具現化し、現実に訪れることで、気づくと、ある日、これまで培ってきたキャリアを活かせる場がなくなっていることに気づくかもしれません。これをキャリアショックというようですが、とあるバブルが崩壊後、○○ショックが起きるというのにたとえたところが秀逸です。
多くの人が、日々目にするニュースや記事、会社で行われている変革の中でうすうす感じているであろう事柄を「IT(DX)バブル終焉ともにキャリアショックが訪れる」と説かれることでなるほどと腹落ちする人も多いのかもしれません。
例えば・・・
- NTTドコモがドコモショップをXX店舗閉店
- 銀行窓口業務を今後縮小、各行の支店閉鎖の計画
- 無人コンビニ店舗の実証実験
- 画像解析等による工場ラインにおける検査項目の自動化
- ICタグを活用した物流システムの半自動化
- VOD配信サービス普及によるレンタルビデオ店の業態変化
- ネットスーパー専門店が出店
- デジタル技術を活用した遠隔施術、遠隔診療
- 自動運転普及に向けた保険体系の見直し
などなど、耳にする内容を挙げるだけで枚挙に暇がない感じです。
こちらの記事では、かつてのアナログ旅客機がコントロールbyワイヤーといったデジタル旅客機になるにつれて、体に経験として蓄積された操舵技術がモノいう時代から、統合運用システムの情報をモニターし適切なリスク管理、判断、マネイジメントができる能力が必要になったという事例はある意味上記であげたこれから起こるであろう変革に伴い、これまで積み重ねた来た業界のスキルが近い将来通用しなくなり、求められるスキルが変容していくイメージが付くかもしれません。
少子高齢化が進む日本で、今後も継続的な経済成長というか経済規模を維持しようとすると人がやらくていいことは、システムにやってもらるというのは道理にかなっていますが、そんな社会で働くには、労働集約的な仕事から、常に変化にキャッチアップしながら適合できるような生涯学習を継続して行くとことが必要になり、高度なマネイジメント能力(人ではなく、システムや機会)は当然のこととして身に着ける必要が出てくるかもしれません。また、最後と砦ともいわれているエッセンシャルワーカーについても、技術の進歩にともなって画期的なソリューションが出てくることでもはや例外とは言えなくなるかもしれません。
このことが意味することは、長年とある業界で働いてきて胡坐をかいて給料をもらうということがもはやできなくなるというこですね。
全ての人が、このような環境で常に自己を磨きつづけ、必要とされる人材として将来にわたって自己を維持しつづけるというのは無理かもしれませんし、既存の労働集約的なGDP基盤を補うようなベーシックインカムという議論が出てくることもある意味こうした予想される将来への社会構造改革の流れの一つなのかもしれません。
資本主義経済では、"成長"し続けることが宿命とされているように見えますが、便利で、究極に効率化された社会で職と生活はどのよになっていくのか無理のない範囲でアンテナをはいながら、私自身もこれからのキャリアについて考える機会を設けてみたいと思いますが、なかなか意識を高くもとないと日々の忙しさに流されてしまうところが辛いところだったりします。
これから将来に向け、世知辛い世の中になっていくのしょうか・・?
2022年09月07日 ネズミ1号:略称「T」
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