2017年04月19日 ネズミ1号:略称「T」
かわら版,
時事・経済要点
「一人暮らしの20代から40代の年収別の貯蓄額の中央値と平均値」という記事がありましたが、なっなんと一人暮らしの平均貯蓄額が822万円もあると書かれています。
「えっ」と思ってしまうのですが、実は中央値が20万円とこれまた「えっ」という数字が算出されています。
簡単に言うと、統計したサンプルのごく一部がめちゃくちゃ貯蓄が多くて平均値を押し上げているということなのですが、この事が超絶なまでの格差(非常にごく一部の持てる人と、大多数の持たざる人)という構図を表しているという事が分かる数値なのです。
皆さんが、5つある数値の平均値を計算する時に普通に使うのが「算術平均」という思います。
1,10,5,9,15
の平均を計算すると
(1+10+5+9+15) / 5 = 8
計算しますよね。xlsではaverage ()という関数を使うのがそれに当たります。
では、次の5つの平均値を「算術平均」で出してみましょう。
10,000、10、5、9、15
(10,000+10+5+9+15)/ 5 =2,007.8
先に出した数値の平均とかけ離れた数値になるが分かると思います。
初めの平均と2番目の平均値で何が違うのかというと、2番目には1つだけサンプルに1万という大きな数値が入っている点です。
つまり、多くの似通った平均に近い数の集合体があっても、少数の度を超えた数値があると、「算術平均」で出す平均値はまったく違ったものになってしまうわけです。
2番目の数値の中央値を考えてみると、まぁ10000というのは異常値として省いてみると
(10+5+9+15)/ 4 = 9.75
となりますね。おぉーー!一番目平均値と1.5ほどの差がでますが、2番目の平均値ほどかけ離れていないのが分かると思います。
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査【単身世帯調査】」(2016年)
ちょっと細かいのでわかりにくいかもしれまんが、調査サンプルのマジョリティが収入300万円未満~300万円。平均貯蓄高が150万円~200万円近辺ぐらいかなぁというのが数値から読み取れると思います。
一方で少数ですが、1500万円以上、はては平均が7000万円台というありえないコーホート母体が混ざっているようです。つまりごく一部の超お金持ちが入っているということですね。
つまりこの統計だけから言えることは、以前米国で言われていたような1%から2%の人が米国の富の大半を握っているというような貯蓄高における格差が広がっているという事。
各年齢別のサンプル数を見ても分かる通り700万円以上のサンプル数はなんと一桁しかありません。
この数値が所得の実態を如実に表しているかどうかはサンプルの取得に仕方によるとは思いますが、きちんとした統計的な手法で撮られているとしたら、それだけ所得額に応じた貯蓄額という格差が日本で広がっているという実態が非常に顕著に分かるデータだということが言えそうです。
2017年04月19日 ネズミ1号:略称「T」
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