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TPPは世界恐慌時にイギリスが行ったまさにブロック経済政策のようなもの!?

2015年10月18日 ネズミ1号:略称「T」
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安保関連法案とTPPはセットの政策だと言える!?軍事・経済両面ですすむブロック化

ダイヤモンドオンライン:先日、TPPが合意されましたが、いろいろ賛否両々があるようですが、至極単純に考えてみると、これは植民地を活用したブロック経済政策とほぼ同じ施策だと言えそうです。1929年の世界恐慌時、停滞する経済の中で自国の利益を守るために、第三国からの安価な製品の輸入を阻止すべくイギリスがとった政策というのは有名ですが、一般的に自国の内需が拡大すると輸入も拡大するという言われていますが、このプロセスで輸入を通じて外国へ漏れる冨を減少させ、国内産業の保護、育成を行うというのが基本的な部分となるのは昔教科書でならいました。


 

 

1920年代は日英綿製品競争の時代、2015年は中国、アメリカハイテク製品競争の時代

イギリスと言えば、産業革命後、アメリカやインドなどの植民地で綿花栽培を行い、蒸気機関を活用し工場で大量に綿製品を作り販売するという工業モデルを確立したことでも有名ですが、裁定の原理がはたらく自由貿易の原則は確かに相互にメリットがあるのですが、世界恐慌のようにグローバルに経済が停滞するとこうした裁定の原理もはたらなくなるのかもしれません。特に現在はテクノロジーも発達し、最先端の工業製品も、図面と工作機械さえあれば、安い労働力でどこで作ってもある程度の品質が作れるようになっているとも言われています。

生産設備は世界中どこに合ってもいいわけで、運用コスト(人件費)が安いエリアで製造し、先進国やすさまじい勢いで成長する国々へ高値で販売すれば儲かるわけです。

現在に当てはめてみると、10年前ほどに中国は世界の工場などと言われるようになったと思います。人件費の高いアメリカは、選択テクノロジーの基礎研究と図面だけ作成し、台湾、韓国などのメーカーへ日本の工作機械(LSI等の製造装置も含め)の購入などにより、安い家電製品やPCのハードディスク、D-RAMなどをベースに商品をグローバルに展開するビジネスモデルを作り上げたように思います。IntelとMicrosoftのWintelモデルしかり、現在のiPhoneに代表されるアップル社しかりですね。そして、そこに近年中国という巨大な人口を抱えた超大国がそうしたハイテク分野においてもノウハウを蓄積し、アメリカに対抗するまでになってきたと言えるかもしれません。

台湾や韓国と違い、その昔自国で資源など含め自給自足ができた中国はアメリカなどにとっては非常に脅威と映ったかもしれません。

ダイヤモンドの記事をみても、このTPPのキモは農業とか2次作業云々ではなく、原産規制がポイントだと言えそうです。

原産規制というのは、アメリカで販売する自動車を構成する部品の調達は、TPP域内の国々で製造されたものにすべしとうもの。原産比率という規定がもうけられ、結局各国の思惑が交差する中原産比率は55%までになったそうです。

日本では、20年ぐらい前から中国での部品の製造投資にのりだしたりして、(最近はベトナムやタイや東欧なども力をいれていると聞きますが)米国に販売する自動車の部品の調達先の多くはこれら国々からのものが占めると言えるといっていいかもしれません。

今回合意されたTPPでは、米国や域内で商売をしたいなら、域外からの部品や材料の調達はみとめないというのが基本骨子のようです。

つまり、日本にとっては中国や、その他域外の国々に投資したり、合弁して作ってきた工場からの部品が使えなくなるということになります。

その代り、オーストラリアやメキシコ、カナダなどTPP加盟国無いで部品を作り調達するようになるという感じでしょうか?

財務省貿易統計からみると非常によく分かりますが、日本は、中国などの国々から部品を輸入し、米国に販売しているのが分かります。

国別日本からの輸出総額の推移

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国別日本からの輸入総額の推移

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財務省の統計を見るとわかりますが、実は日本の貿易取扱額において欧州市場はそこまで大きくないというのが理解できます。そいう意味では米国の庇護かの中で軍事に予算を掛けず加工貿易立国として安定した成熟国として地位を気付いてきたというのが分かるように思うのですが、ここに来てGDPで世界2位となった中国と日本との経済のつながりについては米国も非常に脅威に感じはじめたのかもしれません。

一方で中国はTPPに対抗したAIIBというブロック経済を創ろうとしていますが、こちらは欧州陣営が参加するようですね。

特にドイツは中国と政治的にも、経済的にも非常に深く付き合っていて、フォルクスワーゲンなどはいち早く中国で自動車を売り出したことでも有名です。

上海などへいくと、古いフォルクスワーゲンのロゴがついたほんとにドイツ車?というようなタクシーを良くみかけますが、このあたりからもそれが見受けられます。中国と付き合うようになってからフォルクスワーゲンは販売拡大路線にシフトしたと記憶していますが、先日出たクリーンディーゼルエンジンの不正の件なども裏ではいろいろな思惑がある中でのこのタイミングでの裁きが下りたということも勘ぐってしまうのですが、これこれでいろいろと裏があるのかもしれませんね。

安保関連法案の成立は、TPPというブロック経済を軍事面で名実化するためのお膳立てと言える

現代ビジネス:9月に安保関連法案が成立しましたが、昔から覇権国の重要な要素の一つとして、貿易取引を行う、海路、陸路含めた街道の整備、監督というおがありますね。スペインなどが栄えた代行小海時代、世界最強の海軍を有したのはスペイン、そして近代帝国主義時代に世界を制したイギリスはやはり最強の海軍力をもっていました。歴史をみても、安心して経済活動ができる域内経済圏を維持するには、それを保証する軍事力というのがいつの時代も必要要素だったと言えるは理解できますね。安保関連法案については、環太平洋におけるシーレーンの確保という点で、日本にも本格的に軍事予算を捻出してもらい、その代り武器の輸出でもある程度もうけてOKというバーターな取引というか思惑が現代ビジネスの記事にもありますが動いていたようですね。

まぁ一番儲かる輸出品目でいうと武器や兵器が一番儲かるのは確かですね。


AIIB,TPPこの2つの陣営による米ソ冷静時代のような世界秩序みたいなものが10年ぐらい熟成期間を掛けながら変わっていくのか今後に注目です。



2015年10月18日 ネズミ1号:略称「T」
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