現代ビジネス:2016年2月16日より日銀により行われているマイナス金利政策ですが、その後賛否はいろいろと出ているようですね。若干衝撃的なタイトルをつけさせていただきましたが、マイナス金利がもたらす我々の生活への影響やこのマイナス金利政策が日本に暮らす国民の預金資産についてどのようなことを意味し、どのような影響が起こりうるのかというお話を紹介します。
現代ビジネスの記事ではマイナス金利は実質的な預金課税だいっています。マイナス金利になると銀行に預けている預金にマイナスの金利が働くことになりますが、これは分かりやすくいうと、預金者がマイナス分の金利を銀行に預けている預金額に合わせて支払うということになるということです。
言ってみれば金利という名の手数料を支払う側になるのですが、ではなぜこれが間接的な預金課税になるというでしょうか?
現代ビジネスの記事では、現在マイナス金利の対象となっているのは23兆円の銀行による日銀への当座預金とのことですが、これに―0.1%のマイナス金利を課すと日銀に銀行から230億円の金利収入を得ることになるのだそうです。
なるほど、仮に1%のマイナス金利で100兆ぐらいまで対象を広げると単純掲載で1兆円の収益が国庫に入ることになる訳ですね。
国庫収入1兆円というと消費税に置き換えると0.5%に相当するそうです。
「マイナス金利は実質的な預金課税で消費税増税にたよらない第4の打ち出の小づちだった!?」と言いっても過言ではないように思えます。
普通であれば日銀の収入となるのですが、現在の日銀法によると、日本銀行が得た最終的な利益は、国民の財産として国庫に納付されるのだそうです。((日本銀行法第53条)
日銀のホームページによると、海外の主要な中央銀行でも同じような制度がもうけられているそうですが、これは国が中央銀行に対して銀行券を独占的に発行する権利を与えていることで通過発行益が発生することがあるので、権利をもらっている国庫に中央銀行の最終利益を収めるのが筋であるということなのでしょう。
つまりマイナス金利で実質預金者から手数料を取る形となる日銀側には本来支払うべき金利をマイナスにすることで逆に収入が得られるようになる、そして中央銀行が上げた最終利益は日銀法に53条により採取的には国民の共有財産として国庫に納められるということになるようです。
そういう意味で現代ビジネスの記事にある間接的な預金課税であるという見方は至極納得がいく見方のようです。
第2次世界大戦後の日本は混乱する中で財政と金融を立て直したそうですが、その中で実施された政策というのが財産課税と預金封鎖という政策。
財産課税については、国民の資産にまるごと課税することで国庫を立て直しを図るという政策で、預金封鎖とは課税する国民の資産を正確に補足するために実施された政策なのだそうです。
財務省の財政再建派の中では、戦後混乱する中であっても日本は財政再建ができたという点において、この教訓をいろいろと見直しているそうです。
現在はおそらく主に銀行が日銀にもっている当座預金を対象としてマイナス金利が設定されていますが、その設定率と幅が段だのおきくなるにしたがって、金融機関は、個人が預金を合づけている預金口座にもマイナス金利を適用するようになるかもしれません。
こうなると銀行に預金を合づけていると年々マイナス金利分預金が目減りするわけで、そうなると、カードの決済や銀行支払に必要な最低の金額以外は預金せずに箪笥にしまっておいた方がいいとなるのが信条かもしれません。
戦後は資産の把握のために預金封鎖が用いられたとのことですが、現代の日本では、マイナス金利による実施的な預金目減りから預金を引き出そうとする動きをけん制するために預金封鎖に近しいような政策がとられるかもしれないということかもしれません。
マイナス金利にした直後から日本株は暴落し、円高になったりしたため、マイナス金利効果も相殺されてしまったなどとメディアなどで報じられているのを目にしたことがありますが、実はこのように騒ぐと、日銀総裁の立場としては、さらに景気対策をするそぶりをしながら、さらにマイナス金利の幅を広げるという政策を打ちやすくなるような流れができるのではと懸念されているようです。
マイナス金利の幅がどんどん大きくされ、対象となるお金の単位が23兆円から100兆円、200兆円と拡大されるに従い、国庫に納められる日銀の最終利益は大きくなるわけですね。
実際に1日にもしくは月に月100万までしか引き出せないといったような預金封鎖が行われるようになるのかはわかりませんが、マイナス金利により生じた日銀の最終利益が、国民の共有財産として国庫に納付されるというカラクリから間接的な預金課税なのだという見方はなるほど・・・と納得した次第でありました。
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