bloomberg:トランプ政権になって数か月が立ちましたが主要各国との首脳会談も終わりどちらかというと「強いアメリカ」を意識したプレゼンスをとっているように見える感じがしました。
ブルムバーグの記事にもありますが、2017年年内にも1ドル=100円突破と言いう流れで緩やかに円高が進んでいくようですが、果たして今年の円相場はどうなるか気になるところですが、12日付のWSJではトランプ氏はドルが強くなりすぎていると発言したという内容の記事を報じたそうです。「強いドルは金利を押し上げ、米国製品輸出に多大なる影響を与える」=強いドルはトランプ大統領にとっては非常によろしくないとの考え方を示した見たいです。
現在のドル円相場が108円ぐらいですから、トランプ氏の発言を受けてBoombergの記事にあるように100円を突破するという相場になるのはどちらかというと既成事実化するような報道に見えてくる感じが否めなくもないです。
ミスター円と呼ばれていた榊原氏が「穏やかな円・ドル安の流れが今後も続いてく。恐らく年内に100円を突破すると読んでいる」と発言しているのはG20 で米国が為替問題を重要視した議題を出す事への一種のロビー活動ともいえるかもしれません。
「為替介入は両国が合意しないと実施できない」とbloomgergの記事でも榊原氏の発言が取り上げられていますが、実際に為替介入はしないとうのが通例で、市場に今年はドル高だから!とメッセージを伝えることが重要だというは誰もが予測できることなのだと思います。
マーケットでは今年はドル高という動き前提でマネー取引が行われていくようになる流れはなんとなくですが、5月のG20を前にしてマーケットのコンセンサスが取れているんだろうなぁという事を軽く想像してみました。
こうした報道を見て、我々生活者の視点では「普段の生活がどうかわるのか?」という部分が気になるところ。
住宅ローンの金利や、電気ガスなどの光熱費、自動車のガソリンから日用雑貨品まで日々生活する上でかかるコストがどうなるのか?株式相場と違い、為替相場は結構ダイレクトに影響を与えるくるところがいやらしい所ですね。
まず、原油の輸入購入価格が下がるので、ガソリン代なんかは、1リットル110円から120円ぐらいまで下がってくれるような予感がします。
海外で加工、製造、部品を調達しているような製品の値段ももちろん下がりそうです。
それから金利についてですが、一般的に日本と米国の金利差が3%ぐらいないと円がドルへ還流しないと言われていたかと思います。
ちょっと複雑ですが、確か債券金利差がこれにあたると思うので、為替相場でドルが弱くなると、外国で米国債券を持っている人や国や企業は保持している債券の資産価値が下がるという事になりそうです。
普通の感覚ですとこうなることで、利回りが高くないと米国債を買おうと思う人はいなくなるはずで、逆に米国からすると、償還期限が到来する米国債券の価値が下がるので借金の総額は小さくなるという構図になるような感じがします。
米国の金利が上がる=>日米の金利差3%ぐらいを維持しながら日本の金利も上がっていく
という流れから住宅ローンの変動金利なんかは3%強台へもどるかもしれない予感もします。
逆に日本の株式市場の方は割安感が出てきて海外投資家をはじめ買いが入るような感じがしなくもないで上がるような予感もします。
とくにトランプ政権になってからは、シリコンバレー筆頭のIT系企業を目の敵にして、旧来の伝統産業復活を掲げて支持を集めてきたみたいなので、米国の投資系機関は、アジアや海外のベンチャー案件をいろいろと物色しているようです。
そういう意味ではIT系。特にAIやIoT、Fintechなどのベンチャー企業のIPOラッシュの年となるかもしれませんね。
余剰金を持て余している人であれば今から(このタイミングでは遅いかもしれませんが)半年先を見据えて逃げ切るような投資を自己責任で妄想するのも夢が膨らんでいいかもしれません。
まぁどうなるかは、ローンの明細書や、ガソリンスタンドの価格を目にしてはじめて実感することになると思うのですが、「風が吹けば桶屋が儲かる」という発想で、生活者の皆さんも持てる知識であれこれと今年の相場や物価、金利などを予想して、少しでも生活防衛というかそんな事を考えてみてはいかがでしょう?
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