東洋経済:1月に入り米国FRBによる出口戦略がスタートしましたが、まだ1ヶ月も立っていない2月に入ってから日経平均の下落、新興国通貨の下落等市場が混乱気味な様相を呈しています。東洋経済の記事からなぜ混乱しているのかについて要点を整理してみました。
そもそもこの記事では、テーパーリング「Tapering"先細り"(量的緩和)」はプリンストン大学で教鞭をとっていたバーナンキ議長からすれば事前に試験問題を教えたようなものであるから市場がここまで混乱する理由にはならないといっています。ですので普通に考えれば、事前に試験問題についてのヒントをもらったので、頑張れば対策が練れるはずだったそうですが、ではなぜ混乱しているのか?答えは端的にいうと、当初の楽観論からちょっとした失業率指数や成長率の鈍化傾向などから各国中央銀行などが利上げなどをする様を見て「やばい...」といった不安が一気に蔓延しいたというのが実態のようです。
たとえば量的緩和縮小により、新興国から余剰マ ネーの逆流というきっかけで、今まで見ないふりをしていた「ルイス転換点を迎えたという事実」を認識しはじめるきっかけにはなります。具体的 には、「既存の安い過剰労働力、海外からの豊富なマネーという2つのエンジンにブレーキがかかること」ということを実感としてイメージするようになたのでしょう。そして、「これからマネーが逆流するぞっ」と慌ててソフトランディングすべく金融対策(利上げなど)を一斉に取ろうとしたために「投資家の間でやはりこれからのトレンドはそうなのか!」と一気に混乱が 波及してゆくという構図でしょうか?
これはあくまでも個人的な解釈ですが、以下の3つのことが順に起きたのではないないかと考えてみました。
このような流れで結果として急激な悪循環が想定され混乱したというイメージです。さらに、ITが発達し、放送やTVだけでなくネットを通じて裏情報含め一瞬世界中に情報が広がります。こうした現代のインフラ事情も混乱を一気に助長することに一役かっているといえるかもしれません。
ちなみにルイス転換点とは経済学者アーサー・ルイス氏が提唱した説だそうですが、
経 済発展の初期段階にある国々では「小さな近代セクター」と「大きな伝統的なセクター(大規模な農民などを持つゾーン)」から成り立っていて、この伝統的な セクターにいる農民などの「余剰労働力」が「小さな近代セクター」に移行することで経済発展するというものだそうです。余剰の伝統セクター要員がなくなる ことで、人工要因による経済成長は限界となること
だそうです。
この段階からさらに経済発展するには、「余剰労働力」に頼らない新たな構造的な変革などが必要となる識者は述べているようですが、機関投資家として設ける方々は、こうしたタイミングがくることを予想してしっかりゲインを得ているのかもしれません。
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