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特異なマーケット日本:3キャリアがガラケーを新発売する理由

2013年11月18日 ネズミ1号:略称「T」
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週間プレNEWs:小暮氏の記事によると2013年秋冬商戦に、NTTドコモ、au(KDDI)、ソフトバンクモバイル3キャリアからひっそりとガラケーの新機種が発売されたそうです。日本のケータイ契約者数はおよそ1億1000万。今年9月時点のデータですと、そのうちガラケーが6860万、スマホが5015万件なのをご存知でしょうか?さらに言うとiPhone2400万台がAndroidが2600万台とiPhoneがスマホの半分ぐらいのシェアがあるそうです。海外ですとiPhoneシェアはだいたい10%~多くて20%です。2013年7月ー9月期では、Android出荷台数が急増しているようですが、以前iOSが半分近くあるというのも世界的には特異なマーケットです。ましてやガラケー(フィーチャーフォン)が未だに6860万台もいるのです。


 

 

今だにフィーチャーフォンが57%のシェア
キャリアがスマートフォン移行を急ぐ理由は?

下のグラフ1とグラフ2は、仕事がらざっくりまとめているマーケデータとなります。グラフを見ると分かると思いますが、日本全体で見るとまだまだフィーチャーフォンは6割近くの契約数がいるのです。

皆さんこの理由をどう考えますか?小暮氏も語っていますが、私も「パケホーダイの問題」と、「PCに通話機能をつけたスマートフォンとケータイ電話が進化した形のフィーチャーフォンという特性」この2つが理由だと考えています。

1.png

※グラフ1

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※グラフ2

発展途上国と違い、日本はガラケーで成熟したモビリティマーケットが10年前から存在した。その中で、通話・メール用途に特化した消費者が形成されて今でも残っている

フィーチャーフォンを使っていた時のころを思い出してみてください。学生の方は別として社会人だった人なら会社で支給される業務電話はパケホーダイに加入し、プライベートで契約する形態は通話だけ、それも最低ラインの基本料金とオプションプランで月々4000円程度という方も多かったのではないでしょうか?ちょっと話しすぎたかなという方でも7千円から8千円ぐらいでしょうか。

実はこの時期キャリアのARPUは6000円を切り、5000円も切るという勢いだったのです。つまりiメニューやezメニューなど有料コンテンツを利用したり、する人はパレート的にいうと上位2割弱ぐらいだったとも言えます。

当時コンテンツ市場が4000億ぐらい(記憶ですと)、占いやゲームや着メロが大半を占めていました。月々コンテンツ使うお金がだいたい2000円として大体2000万人ぐらいの母体ということだったと推測されます。パケホーダイ加入者規模とだいたいイメージが合うように思います。

ですから、当時100万人の会員とかユーザーというのはそれなりにインパクトがありました。今では1000万人が当たり前です。

これがスマホになると、自動的にパケホーダイに入らなければなりません。そうしないと、バックグラウンドでの通信や、ちょっとしたホームページを閲覧するだけで数万円も取られてしまうからです。ガラケーの当時と違いモバイル向けに少量のデータで作成されたコンテンツでなく、PCと同じような大容量な画像や動画やアプリを知らず知らずのうちに使うことになるからです。

だいたいスマホのパケホーダイはガラケー時代より1000円ぐらい高く5000円弱です。基本料と割賦代金を含めると1契約1万円越えとなるわけです。これだと、フィーチャーフォンで十分という方はなかなか変えにくくなりますよね。

逆にキャリアは、土管部分でARPUが上がるのでただでさえARPUが下がってきていたガラケーからスマホ移行を積極的に進めたともいえますね。

PCに近いスマホを使うのは都心部の人だけ?

移動中に、高価なパケ放題に加入し、ネットサーフィンやアプリなどで記事をよんだりゲームをする人は電車やバスなど公共交通機関を使う方かビジネスマンが中心になるのはイメージできます。地方で主要な移動手段が車であった場合、ガラケーの方が片手で操作もでき、ましてや車を運転中に情報収集やメールやりとりなどしませんし、PCを外に持ち運びたいなどと思うようなニーズは生まれないわけです。

おそらく、40代から60代の層でケータイ電話(ムーバ時代)から利用している方などは、SMS、iモードメール(インターネットメール)止まりでそれ以上の用途ニーズを満たすスマートフォンには写らないのではないかと思われます。つまり日本ではあと十数年はフィーチャーフォンマーケットは存在するのかもしれませんね。

料金が安い、電池も2日は持つ、ガラケーで十分、スマホは使えるか不安という層の心はなかなか変わらない!?

以下記事からの引用です。

ガラケー優位は料金だけでなく、電池持ちのよさ、メールの打ちやすさなどもある。だが特筆すべきは、なんといってもその通話性能の高さだ。

「スマホはイメージとしては"小さいPCに通話機能をつけたもの"。ガラケーは"電話にいろいろな機能を載せたもの"。無線通信できれいな音声を届 けるというのは案外難しく、各メーカーが長年かけてノウハウを蓄積してきた部分でした。通話音質ではガラケーが圧倒的に優位に立っていると感じますね」 (木暮氏)

ドコモの加藤薫社長が新機種発表の席で「ユーザーから要望が寄せられた」とガラケーの再投入について説明していたように、ガラケーはまだまだ人気機種なのだ。

記事中に上記のような説明なされていますが、まさにガラケーの良さをこうした層は熟知しているのでしょうね。よくガラケーからスマホ移行しにくいのはキャリアアドレスが使えなくなるからだとか言われていますが、こうも一種のキャリアの啓蒙活動の一つなのかもしれません。VoIP(TCP IPによる無料通話)を使ったとしてもガラケーの月額料金4000円当時と比べるとやっぱり倍以上月額払うことになるのですから無理もないのかもしれません。



2013年11月18日 ネズミ1号:略称「T」
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