少し前の話になりますがGoogleの14Q2の決算内容を見るとクリックが減っているというデータが見て取れるということで実はGoogleのモバイルシフトは実は順調ではないのではという記事が出回っていました。なぜこのような憶測がうまれるのかというと、GoogleのCPC関連売上げデータはYouTubeやAdMobそれからDisplayADなどごっちゃまぜにされた数字で成り立っていることに根源があるようです。
冒頭で述べたとおり
・Youtue(動画広告)
・AdMob(アプリ内のアドエクスチェンジプラットフォーム)
・GND(Googleコンテンツネットワーク上のディスプレイ広告)
これらすべてが合算された数値がCPCsとして計上されています。全体としては下のグラフのとおりクリック数は前年度同期比で平均で10%以上下降気味です。一方で広告レベニュー全体は、前年同期比で19%近く上がっているのです。つまり売上げ全体は増加傾向なのだがCPC(これはClick Per Costといってクリック単価を示す)が下がっているということですね。
一つ考えられる仮説として、エマージングマーケットでの低価格Android端末の普及があげられます。欧米、日本と違い、新興国では、広告マーケットがまだまだこれから。。特に低価格端末を使うそうには、まだまだARPU余力(一人当たりの購買力というような指標)なく実際単価の高い広告を打って収益をあげるというマーケットが成熟していないという事情があります。シェアが広がっても売上げ単価は引いという現象ですね。
PC中心の時代は、CPC単価は年々上がってきていましたが、実際PCを個人でもっていたり、ラップトップが普及しているマーケットは先進国中心に購買力、商業が発達し、それなりの消費者が育っているエリアだったわけです。
さらに、モバイルCPCはこれからのマーケットです。スマホなどのリスティング、GooglePlayなどのDeepSearchなどもそうですがCPI指標の単価は大体200円前後、CPMも100から150円 1$が起点。よってCV率が2%とか1.5%となるとCPC単価はリード商材など高単価案件が飛び交うPCと比べて先進国においても低めになるということが分かります。
現在日本におけるスマホの広告マーケットはようやく1200億を超えた程度。これに比べてインターネット広告は、昨年あたりに新聞を抜いて4000億とか5000億ぐらいなイメージだったと思います。
今後スマホがファーストウィンドウとして接触時間が増大し、さまざまなアドテクやネイティブ広告のような手法やモバイル動画広告やTwitterやFacebookで実装されているようなダイレクトレスポンス型広告が実装されてゆくことで、これからどんどんナショナルスポンサーがブロードに出稿するようになるわけですね。
上のグラフにもあるように、全体の売上は伸びているが、CPC単価が下がっているという現象から実はモバイル普及期にともなう新たなマーケット創造期における単価割れという分析もできるわけです。
決算書における各事業セクターのレベニューを合算したり、分けて計上したりと短信とかPPT概要説明書とかそれぞれの企業は財務会計戦略的に練りに練って投資家やアナリストの期待感をあおることが多いように思います。またこうしたデータを読むことで、細かな戦術や、攻めに転じているときの奥の手などをあまり赤裸々に開示せず、こうした記事が飛び交うような状況も予想しながら競合を出し抜くということも行われていそうですね。
結局のところ、私もこのデータの読み方はGoogle社は来るモバイルシフトにそなえ、今期、来期プラットフォームとしてのAndroidOSによるモバイル、タブレットデバイスを着々に広げている最中ということができそうです。皆さんはどう読み解くでしょうか?
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