gigazine:全てのムーブメントは出現からムーブメントなり広まるプロセスを経て最終的には官僚化して衰退してゆくというプロセスを経るそうです。
この流れにフェイスブックを当てはめてみると現在フェイスブックが抱えているユーザー減、若年層のメッセージングアプリケーションへのシフトなどについての「Why」が綺麗に説明できるようです。ムーブメントは時代を重ねることで新陳代謝を経るものですが、そのメカニズムについて明快な説明が元Google社員のChrys Baderさんによりなされているので紹介します。
2004年当時ハーバードの学生だったザッカーバーグ氏によりルームメイトと共に作り上げられたれ、2005年に約1000万ドル(10億円)を超える投資を獲得したところまで。この初期段階では、フェイスブックは非常に強いユーザー獲得力を有し、まだ規模は小さかったが多くの人が話題にしたそうです。
合着期とはこれまで乗り越えることができなかったものを乗り越えてムーブメントが臨界点に達した時に起こる段階だそうですが、フェイスブックのケースでは、先行していたMySpaceを超えた2009年。2009年にフェイスブックは最も使われているSNSになりレイトマジョリティにも普及していったそうです。
臨界点を超えたムーブメントは次第に形式化されて行くそうです。フェイスブックの場合2012年5月18日にIPOを行い「会社」としての体裁を整えて、何千人もの従業員を雇ったそうです。これがフェイスブックにとっての官僚化にあたるそうです。
形式化(官僚化)されたムーブメントはやがて衰退するそうです。フェイスブックは私達の生活に深く入り込むようになったのでもはやムーブメントとは呼べないものになってきたという事でだそうです。そしてムーブメントが持っていたイデオロギーやゴールはメインストリームの一部となるそうです。
仕事を行う人はコネクションを作ったり維持する為にビジネスに特化下LinkedInを利用する人もいますが、現在10代の若者はフェイスブックをこのLinkedInと同じく実利的なものと考えているようです。そして日常の面白かったことを共有したり楽しむものではなく、「皆がやっているからやらざるを得ない義務的なツール」として意識するようになるのだそうです。
一般的なユーザーまで広まることで、どんどん「内輪でシェアするモノ」になってくるそうです。そして、家族、友人、知人たち全員に対して本当の自分をさらけだすというのは難しく、多くの人は自分の最も素晴らしい瞬間を見せよう自慢げな投稿ばかりを目にするような事になるとの事。そしてフィルタリング作業を行う過ぎて本当の人間関係を失い兼ねないとも言っています。
このようにフェイスブックのネットワークが広がることで、繋がるという目的から、公の場で晒し者になっている自分のイメージを保つことに目的には変化しているということに気づく人が多いのではないかということです。
ソーシャル・プロダクトは人間のように寿命のあるもので、成長し、かつての若さを切望します。自分の方法に固執し、過去によって苦しめられ、文化の発展や 移り気な世論に流されていきます。70年代にクールだったことは80年代にはクールではなく、80年代のクールさは90年代には通じません。デジタルな世 界にソーシャルな繋がりが拡大する前でも、流行と同じくソーシャル・ネットワークは変化しやすいものでした。Google+は未来のソーシャル・ネット ワークとなるべくFacebook以上に奮闘していますが、それは「去年の流行の上での賭け」なのです。言い換えれば、「タイタニック号が沈む時、本当は 周囲に乗り移る船がないか探さなければいけないのに、タイタニック号の中で水没せずに残っている最後の部屋を求めて争っている状態」
メインストリームとなったフェイスブックの居心地の悪さを嫌ってSnapChatなどのようなメッセージングソフトに若い世代で注目が集まっているようですが、こうしたメッセージングソフトについても例えば、LINE疲れなどといった減少ももう出始めているのも事実のようです。
ソーシャルメディアや音楽といった人のエモーショナルな側面に訴えるサービスは、寿命があるものであり、常にその寿命を意識して新たなサービスを企画する必要があるという事なのですね。流行と同じで80年代にクールだったものが90年代には通じない、と言いつつ2000年代に70年代のイデオロギーがクールになったりとすることもあるのですから、ある一定のサイクルはあるのかもしれません。この辺りはサービスを企画する上でのサイクル論として参考になるかもしれません。
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