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苦境に立たされているグリー・モバゲー。突然儲からなくなった背景には何が起きているのか?

2013年12月04日 ネズミ1号:略称「T」
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ルールメーカーは完全に変わった!スマホ普及に伴って新たなエコシステムが猛威をふるう。

現代ビジネス「ディー・エヌ・エー ミクシィ グリーほか 突然儲からなくなった会社何が起きたのか 少し前はあんなに羽振りがよかったのに」という見出しの記事を斜め読みしてみたのですが、いろいろな記事で「グリーがリストラだ!」とか「高額給料がネック」だなど書かれています。飛ぶ取り落とす勢いだった企業が急に没落するというネタは皆さんの注意を引くのも事実ですが、少なくとも今現在、猛烈なスピードで業界構造、マーケットが180度動いている節目でもあるのも事実だと言えます。
今日はグリー・モバゲーそして彼らにゲームを提供しているSAP(Social Application Provider)などといった「SNSから派生した会員プラットフォーマー」とアップル、グーグルなどに代表される「新たに誕生したスマホ端末自体をプラットフォームとすることに成功した海外勢」そして従来からある「家庭用コンソールメーカー」などゲーム業界を取り巻く3つの軸で、今後のこの業界がどのようになるのか私なりに整理してまとめてみました。


 

 

GREE/mobageの本質について

GREEもモバゲーも基本はSNSです。それもフェイスブックのようなクローズドなSNS。利用者は会員登録しないとそもそも中で何が起こっているのか見ることができない仕組みです。こうした仕組みを利用して出会い系もどきな文脈で会員を増やしてきたのがGREEやモバゲーであると理解しています。また、モバゲーはキャズム超えの際に、無料ゲームという謳い文句でデイアイ系意外のライトなゲーム層を発掘することで成長してきたのです。実はGREEはPCからスタートしたサービスでミクシィにおされ、厳しい次期にケータイキャリアなどとくっついて窮地をしのぎ、モバゲーの成功をみてそのままパクったというのが私の見立てです。両社とも、ベースにSNSという基本構造ありきというプラットフォームの上にビジネスを構築していました。

アップル・グーグルが仕掛けた新たなエコシステム
市場ルールが360度変わった。

一方でスマホになると別なエコシステムが登場します。会員数を増やすという間接的なマーケティングから、端末自体を発売、もしくは端末の上で動くOSを支配することで、ケータイ電話利用者全母体を自動的にユーザーとして囲い込むことができるシステムです。
ガラゲーと全く違う仕様のこうしたスマートフォンへのシフトは市場ルールが360度変わるということなのです。
スマホの普及が進むにつれ、潜在ユーザーとなりうるユーザー母体は拡大してゆきます。またガラゲーと違い、スマホエコシステムの特徴は、全世界で統一されているのです。デベロッパーにとっても特定に国の3000万よりも、全世界の1億人の可能性にかけるのは当たり前ですよね。

ブラウザ上で展開する出会い系サービスの上にたったシステムが足かせに。

アップル・グーグルは端末及びOSを支配しています。そのため、GREEやモバゲーのように、事前に面倒な会員登録手続きの必要がありません。厳密に言うと、前段で述べたようにスマホを使えるよにする時にメール設定やアカウント設定をするのですが、ユーザーは、これをグリーやモバゲーの会員登録といった煩わしい作業とは思わないはずです。基本ネイティブアプリをDLできる母体は、契約された端末数分ということになるのです。

スマホ契約数は一昨年の2000万台クラスから昨年今年にかけて一気に
5500万台へ、一方でGREE/モバゲーの会員数は、3000万台で頭打ちもしくは減少となっています。このデータを見ても、両社の業績が昨年以降特に今年になって急落する理由が分かるように思います。
OSレベルでのプラットフォームには太刀打ちできないのはそのマーケティング効率からして不可能だと考えるのが自然ですね。

iOS・Androidアプリならば、事前手続きなしで試遊が可能

スマホを使う時には、すでにGoogle・アップルアカウントは設定済み、ゲームをやりたいからといって利用登録する必要がないという錯覚。
これは、消費者感覚からすると、面白そうだなぁっと思ったゲームソフトがあれば、誰でも簡単に無料でダウンロードして無料で遊ぶことができるという事です。

昔コンソールゲームのマーケティングを手がけたことがありましたが、当時、例えばFFなどのメガヒットゲームには、数枚の試遊ディスクを同梱したものです。あらゆる宣伝・広告効果を凌駕する効果があったからです。
5,800円もしくはそれ以上するゲームを購入するには一度試遊して「これは欲しい!」と思って頂く事が一番の早道だったのです。

更に、昔のファミコンやWii、DSなどはお店までソフトを買いにいかなければなりませんでしたが、ネイティブアプリはほぼ、コンソールゲームのそれと同じ体験ができるクオリティのゲームがスマホから簡単にDLできるのです。それも感覚的には無料でプレイでき、有償版であったとしても1,000位で購入ができるのです。

グリー・モバゲーでの30%のマージン:直接APPプラット-フォームへ出した方がSAPが得するはウソ

よくこのような事が書かれた記事を目にしますが、私的にはこれは間違いだと考えています。アップル・Gストアでも30%近くの決済手数料は取られますし、GREE、モバゲーとは違い、ネイティブアプリは一般的にグリー・モバゲー時代に比べ、マーケティングコストや開発費自体、非常にかかるようになっています。デベロッパー各社がそれでもネイティブに移行するのは、アップル、グーグルがルールメイカーとなり、リーチできるユーザー規模とマーケットのルールが変わった事を察知したからこそというのが理由だと思います。実際大手10強と言われるSAP企業も、この流れを掴んだ企業と出遅れた企業とで明暗が分かれているのを見れば納得出来ると思います。

次なる戦場は、家庭用コンソールやポータブルゲーム端末か!?映画や音楽などエンタメ産業もウカウカして入られない。

昔、カラオケが流行っていた次期があります。しかし、ケータイ電話が若年層に普及し、若年層の付く会えるお小遣いがカラオケに回らなくなりだすと一気に業界は苦戦を強いられるようになったことを思い出します。当時は時間をいかに専有できるかといった争点でマーケティングを展開していたのが懐かしい限りです。

前段でも話しましたが、これは何もゲームだけの話ではなく、広く普及するOSや端末が支配されるということは、音楽や映画、コミックなど電子データとして消費できるものすべてが、今日のグリー、モバゲーのように突然売上がシュリンクするということが起こりうること推測できるでしょう。

今後、iOS、AndroidがWiiやプレイステーション、Xbox、DSといったプラットフォームとどうマーケティングを繰り広げるのかが見モノとなりそうですね。
私個人としては、据え置きゲーム、携帯ゲーム機市場は、しばらくは市場規模はそのまま残ると考えています。なぜならば、体験出来る内容などまだ有意な点もあると考えるからです。

しかし、IOT(internet of thing)ような概念が普及し、スマホやタブレット、TV、PCなどがすべてネットワークに繋がるようになると、タブレットにインストールしたアプリをテレビで自然に表示でき、blutooth対応コントローラーでゲームができるようになるかもしれません。こんな光景が巷で見られるような風潮が見えてきたならば、コンソールメーカーとタブレット、スマホ市場とまた構図が変わるかもしれませんね。
この業界しばらく目がはなせなくなりそうですね。



2013年12月04日 ネズミ1号:略称「T」
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