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大手予備校も事業再編の波-代ゼミ7割の校舎を閉鎖へ

2014年08月25日 ネズミ1号:略称「T」
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代ゼミが7割近くの20校を廃止すること発表したようです。代ゼミはどちらかというと有名私立文系、浪人生を中心したビジネスモデルで食べていたようですが、少子化で、文系私立・浪人というビジネスモデルが成り立たなくなっているようです。2012年の日本のピラミッドを見ると10代の人口は100万を切るぐらい。団塊ジュニアと呼ばれる30代後半が200万以上いることを考えるとなんと若年層人口は半分になるわけです。経営という視点では5年、10年後を見据えた判断が必要となりますが、受験生をターゲットとした予備校のこの発表は、私立の学園、大学の数年先を反映していると言えるかもしれません。


 

 

大手予備校「代々木ゼミナール」を運営する学校法人高宮学園(東京・渋谷)は全国27カ所の校舎を7カ所に減らす方針を固めた。20カ所では2015年度 以降の生徒募集をやめて休校し、事実上閉鎖する。施設の活用法は未定という。代ゼミは大学受験の浪人生を主な対象に運営してきたが、少子化や現役志向の高 まりで浪人生が減り、業績が悪化していた。

日本経済新聞

代ゼミ、校舎の7割閉鎖へ 400人規模で希望退職募る
関係者によると、閉鎖対象は仙台、大宮、横浜、京都、神戸、小倉、熊本など。校舎は東京の本部校、札幌、新潟、名古屋、大阪南、福岡の各校と、芸術大受験の造形学校(東京)に集約する。
閉鎖に伴い、40歳以上を対象に400人規模で希望退職を募ることも検討中で、応募者には退職金の加算なども行うという。

朝日新聞

文系私立、浪人してまで入ろうとは思わない

今や国内大学は、誰でも入ろうと思えば入れるものになったと言えると思います。さすがに私立も6大学や旧帝大国公立などはそいう訳にはいかないのかもしれませんが、文系私立へ浪人してまでいっても就職が。。。ということなのでしょう。今や現役合格が当たり前、一方で医者や理系など専門的な分野を志す人は浪人してでも目的の大学へ進学しようという親や親族のインセンティブが働くのでしょう。

各校の大まかな特徴

代ゼミ駿台東進ハイスクール
人気教師による大規模教室 理系を中心とした難関授業 個別指導、オンライン講義による差別化
文系私立、浪人中心 医大、理系、国公立、浪人中心 現役受験中心

実は私も中学の頃は原宿と千駄ヶ谷の代ゼミかよっていました。高校で駿台です。今思い出すと、代ゼミは高校受験、駿台は大学というイメージが強かったように思います。高校生のときは代ゼミの模試は確かうけないようにして、駿台の難しい模試にチャレンジしてなかなか偏差値があがらなくて頭の悪い時分に嫌気がさしたのを懐かしく思い出しました。

1年浪人すると大体80万から120万ぐらいの経費が。。

100万近くの受講料を浪人で支払ってその辺の私立大学を出ても。。今日では、その卒業を受け入れるまともな上場企業がないのも事実です。商社やメーカーなどは一流校から優秀な人材を青田買いするでしょうし、ベンチャーであっても2流、3流の即戦力にならない人材を受け入れてOJTしながら一人前の人材に育てようという雰囲気はないように思います。

どちらかというと、どんな大学であっても、語学でできる、学生時代に○○を研究していた、こういうテーマの研究をして、インターンでこういう仕事をした、もしくは学生時代にこういうソフトウェアやサービスを作っている..ObjectCやJava,HTMLやJavascript,RDBMSやDB周りは一通り触っているし、現にこういうものを作ってこれがそのURIですみたいな人材力と、自頭のよさ、適用力がポイントとなるように思います。高度成長期からバブル時代とは違い、日本企業も生き残りをかけて、日本人だけでなく海外の人材の採用も盛んです。そうしたなか、旧態依然の予備校ビジネスがいち早く崩壊したということが言えるのでしょう。

代ゼミと言えば、私も中学1,2年のころ夏期講習に出始めて、土日特訓という講義に通っていたのですが当時は高校受験をめざしてどちらかというと模試を受けにいくような感じだったかもしれません。

中学生は、原宿と千駄ヶ谷校が拠点でしたが、たしかお正月と大晦日にもいって、明治神宮で破魔矢を買ってきた記憶が懐かしいです。結局のところ有名私立は落ちてしまったので近場の進学校といわれていた公立に通いましたが、高校の時はそういえば、駿台に通っていたのを覚えています。当時から模試なども駿台の方が難易度が高く偏差値も精度が高いというイメージがありました。代ゼミはちょっと簡単というイメージでした。代ゼミの有名講師は、タレントような扱いの人いたと記憶しています。年収も数千万。ただし、大学へ進学することの意味づけが変わってきている今、こうしたモデルは解体されて行くということのようです。代ゼミでも40代を中心に400人がリストラだそうです。

実はうちも息子も女子高系列の私立小学校へいっていますが、中学からは、定員割れという深刻な問題を抱えているようです。共学で最低高校まであればいのでしょうが、中途半なポジションの学園もこれから代ゼミのような経営課題を抱えるのは明白だと言えます。

今、日本の人口ピラミッドは、まさに逆三角形、10年後は。。

2015population.jpg2025population.jpg約10年後、日本の10代の人口は出生率が現状から上がらない前提で、60万人規模まで減少します。団塊ジュニアと呼ばれる現在30代後半から40代のベビーブームゾーンが230万人位とすると1/3近くになってしまうわけです。

他人に頼る一夜漬け型の教育から、親が参加する幼児からの英才教育へ

私の親などの世代ではよく言われていたようですが、「子供はほっておいても勝手に育つ。。」みたいな風潮ですね。戦後、そうした中でも確かに天才は生まれたのでしょうが、殆どの家庭のお子さんは、天才ではなく一般レベルなのも事実。大学卒業経験の親御さんが多数を占めるようになった現役親世代では、予備校云々の前に、訳のわからん事業者へ汗水流したお金を払うのはバカバカしい、家庭の環境を変えて、小さいうちから子供の学習意欲・地頭を鍛えるといったような受験勉強はとは一味違うことへお金を使い始めていることも、旧来の予備校ビジネスに打撃を与える要因となっているのかもしれません。

昔とちがって、母親、父親も第一線で働き、日々是決算という方が多い多いように思うので、丸暗記やテクニックの受験勉強などしても、グローバル化したビジネスの世界ではもはや役に立たないし、そうした幼少期を過ごすことが如何に時間とお金の無駄で、TVゲームやスマホゲームをするのと同じぐらい実は使ったお金の額に比べ、ためになることが少なすぎるという気付き始めているのかもしれません。

大部屋による大量生産が通用する時代は終わる

これからは、真の意味での人材力を高める学習意欲を啓発するような教育が求められることは人口ピラミッドをみてもおのずと分かるようにします。単なる偏差値という統計的な競争から、真のビジネス力、社会で貢献できるような素質を鍛えることが、求められるのでそうね。なぜならば、社会人になってからも、実は引退するまで勉強しなければならないのですし、逆に社会人になってから勉強することをやめてしまった人は、職にあぶれてしまうというのが現在の現実のように思います。

日本の大学受験・浪人生ビジネスは海外進出さえできない

公文などビジネスモデルは、北米やアジアへ進出し、今や、本国日本の売上と肩をならべるほどだとも聞いたことがあります。ヒスパニック系や移民アジア系住民を中心に手軽な価格で幼児教育をうけさせることができる寺子屋式の公文が海外で喝采を浴びているそうです。

これに比べて日本の受験ビジネスは、海外では受け入れられては貰えないでしょうし、やはりリストラするしかないということのようです。このことからもわかるように、一夜漬けの受験投資が、グローバルな視点で見た際に、いかに投資として無駄となる可能性があるかお子さんがいるご家庭などでも、こうしたニュースをきっかけに一度考えてみるいい機会かもしれません。



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