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国レベルでの比較優位の時代から、人材・制度格差時代へ?

2014年01月12日 ネズミ1号:略称「T」
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「共食い」がはじまる先進国経済。人口知能(AI)による人口減と適切な発展サイクル

これまで発展途上国と呼ばれた国々も、工業化、IT化が加速される中で賃金も先進国のそれに近づくレベルまで上昇しはじめています。単純労働などは既にこうした兆候が感じられると思いますが、知的労働に関する人材のグローバル化により、リカードの提唱した比較優位論的な理論では語れないような世界が到来するのでしょうか?

賃金や生産性といった観点で、国レベルの差別化要素や優位性が限りなく少なくなって行くとすると、先進国に生まれたからといって旧来のように、他の国々の人達に比べて優位な生産活動や生活が保証されるとい事はなくなる訳ですが、今、世界はどのような方向に進んでいるのでしょうか?


 

 

国による経済格差ではなく、人財格差社会へ

比較優位論では、人は祖国を動かないという前提に立っているようですが、ITを活用し、多言語を自由に操れる人材であるならば、国境という概念はもはや不要となりつつあるといえるのかもしれません。

例えば、日本に生まれたからといって、シンガポールや香港、中国の労働者よりも豊かな賃金を得られるとは限らないということです。今や、多言語を操り、制度 や仕組み、設計などを司る優秀な人材は国籍はほぼ関係なく、シンガポールや北米などの拠点で数百万ドルもの年収を稼ぎ、優雅な生活を送るようになっている とも言えます。ファブレス工場なども、今後ますます自動化され、単純労働によるモジュール組み立てはロボットが代替し、高度な知的な労働、例えば分析やリ サーチというものまで人口知能(AI)などの開発により労働がコンピューターや機械に取って代わられる様になるのかもしれません。

こうなると、まさに教育レベルや企業活動が優位に行える制度による格差経済社会が到来するということになるかもしれません。

ケイマン諸島やシンガポールという場は、グローバル企業が本社を構える地域として非常に潤っています。もはや、日本に居を置く企業業績が上がったからといって日本に住んでいる一般庶民が恩恵にあずかるという図式は崩壊していると言えるのかもしれません。

エネルギーピークにより、共食いが始まる先進国経済

20世紀は石油の文明の世紀だと言われています。現在その原油ピークがシェールオイル含め2020年代と言われるようになって来ていますので、少なくとも限ら れたパイの中でのパイの奪い合いとなることは明確です。コレまで経済発展というと、多くの人の所得が増え、地球の資源を工業製品化し消費してもらうこと で、紙幣経済が発展し、地球上の人類の人口は爆発的に増えてきたと言えます。その経済の潤滑油がマネー(紙幣)だったのでしょうが、自然資源にペッグされ てきた紙幣という枠組み自体今後変革される余地が出てくるのかもしれません。

1980年代世界の人口は、40億人と言われていましたが、2014年現在71億人となっています。たった30年弱で30億人も人口が増えたことになります。これは単純に言うと、たった一世代で2倍になったということです。

ここ最近、北米やヨーロッパなど北半球先進国では、マイナス40度のような異常な寒波なども被害も出てきていますが、今後はある程度の人口知能を備えたコン ピュータと組込みプログラムによって管理された機械による超効率化がなされ、人が行う労働が急激に減ってゆくことになるのかもしれません。

自給自足時代と違い、労働により得られる収入で出産できる子供の数も左右されるというのが現代のシステムだとすると、このように生産活動が超効率化することで、人口も減る方向で調整されるという図式が成り立ちそうです。

低賃金労働者による搾取型経済発展は、結局のところ、資源を酷使することに変わりない訳ですが、今後持続可能なクリーンなエネルギーが開発されることさえで きれば、電力で動くコンピュータと機械がある程度経済活動をサポートしてくれる適正な母体人口での発展がなされるようになる。そしてその時国境や民族とい う概念はあまり関係なくなるのかもしれません。

良くカルト的な陰謀説論調で、新世界秩序(new world order)などと言われることもありますが、現実の流を冷静に考えてみると、自然とそのような方向へ進んで行くのかもしれません。その時のニューエコノミーとはどういうメカニズムになっているのでしょうか?



2014年01月12日 ネズミ1号:略称「T」
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