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かわら版号外:米6月の堅調な雇用統計VS7月10日バーナンキ議長の「当面は金融緩和策必要」発言

2013年07月11日 ネズミ1号:略称「T」
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発言目的は、金利上昇抑制。9月緩和縮小着手との見方は変わらず!?

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6月の米雇用統計が発表され、その堅調ぶりに量的緩和の縮小時期が前倒しになるのではとの憶測が広がっていましたが、その矢先の7月10日にバーナンキ議長が発言により市場はポジション巻き返しとなっているようです。
その発言内容は、「米インフレ率は依然、低水準、失業率は雇用情勢を誇張している内容があるため当面は金融緩和政策を継続する(ロイターより)」とのことです。これを受けてドル・円相場は約2週間ぶりに1ドル=98円代まで急騰しました。
マーケットのプロの方々は、住宅関連先物指数の低下とそれにともなう金利上昇リスクを押さえるための発言との見方があるようです。量的緩和縮小の弊害として留意しなければならいことがあったということですね。特に米国経済の持ち直しは、住宅需要に顕著に現れるとも言われていますので、ここでブレーキを掛けてこの辺りの数値を改善しなければという対話なのかもしれません。
ただ、雇用改善はこのまま継続するようですので、9月にははやり量的緩和縮小フェーズ1が開始されるのでしょうね。

以下、ここ2・3日のニュースの流れ:主にロイターです。

6月米雇用統計が発表:条件とされていた雇用統計順調で出口時期前倒し観測

7月5日に発表された雇用統計では非農業部門で19.5万人の就労者増加。失業率は7.6%と横這い、平均時給は0.1ドル増えて金額ベースで2008年11月依頼の伸びとなった。

■ドルー円相場
■米国相場
>>米FRBの緩和縮小をめぐる市場との対話、今のところ良好=IMF首席エコノミスト 2013年7月9日
>>ギリシャ支援プログラムの先行きは依然不透明=EU・IMF 2013年7月8日
 

7月10日バーナンキのしばらく量的緩和継続発言

雇用が伸びたといっても、雇用ベースがまだ12年の平均に方を並べた程度にすぎない

■ドルー円相場
>>ドル99円割れ、FRB議長発言で9月のQE縮小開始観測が後退 2013年7月11日
>>ホットストック:主力輸出株は売り先行、FRB議長発言で円高進行 2013年7月11日
■マーケット動向(ポジション巻き返しで一斉にロールバック)
>>FRB議長発言でポジション巻き戻し、QE3縮小時期は後ずれの見方も 2013年7月11日
>>金が2週間半ぶり高値、FRB議長発言受け 2013年7月11日
■その他の動向
>>豪ドル・NZドルが対米ドルで上昇、FRB議長発言で早期緩和縮小観測後退=外為市場 2013年7月11日
>>FRB議長、当面の緩和維持を表明:識者はこうみる 2013年7月11日

こうして見ると、膨れ上がったB/Sを縮小すべく、打てる手が多いうちに出口発言をしながら、留意スべき指標をみながら巧みな金融政策の舵取りをしている様子が伺えます。相場や株価は金融政策できまるとか言われていますが、短期的な動きだけみるとまさにそのように思います。プロは相場が大きくロールバックしたら動く時に儲けるのでしょうが、一般人は毎日集中して情報をウォッチする訳にはいかないので、中長期な視点で本質的なシナリを把握スルよう務めるのがいいのでしょうね。

長期的なシナリオについての見解

私自身普通のビジネスマンですが、仕事がらマクロな相場分析も必要となるのであえてこのサイトでこのようなかわら版を書いてみていますが、個人的な見解としては、中銀がお札を刷って、債権を買うというのは銀行券の価値を担保するものが無い限りいつかは紙くずになってしまうと考えています。
ニクソンショックによりドルは金本位制からはずれましたが、その後は、エネルギー(石油)がドルの裏付けとして価値を捻出してきたと言われています。ドルで石油が変えたので、ドルは基軸通貨の地位を保ってきたとも言えます。また、石油利権を確保する裏付けとして世界最大の軍力もこれまたドルの価値を裏付けていたとも言えます。、ここに来て、毎月800億ドル物債権を購入し、400兆円近くまで資産が膨れ上がると、さすがに着地しなければならないのも分かります。オイルピークも過ぎ、新興国の発展にともなうエネルギー消費に原油の生産が間に合わなくなってきているという点を考えるとこのままヘリコプターマネーを刷ってバラマキまくれば、いつかは紙くずになってしまうかもしれないということだと思います。

ということで、現時点での個人的な見解は、示された計画表どおり出口へ突っ走るということ。
出口へ突っ走ることで

直近は、

  • エネルギー価格で恩恵を受けてきた資源国は資金の逆流とエネルギー価格下落等で普通の国になり

  • 米国は、シェールガスなどのブラフによりとりあえずエネルギー自給自足演出をし、ソフトランディングする

  • その過程で、中東で有事が起こり石油が急騰するか、米国の自給自足により原油価格が暴落するかのいずれかの動きがでるかもしれない。

  • 何れにしても、中国は輸出型から内需主導の普通の大国となり、第2位の経済大国ポジションで安定する

中長期的には

  • 石油に変わるエネルギー革命がおきて、徐々に新しい経済システムが構築される

  • ドルに変わる新しい基軸通貨(ユニオンとかいっていたかな)ができるかもしれない

  • ユーロはそのまま残り、イギリスだけ入らない。

といった感じででしょうか?半年後にどうなっているか楽しみです。



2013年07月11日 ネズミ1号:略称「T」
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