Forbes(2013/08/10)より:正式に来年4月から消費税が8%となることとなりました。政府はお金を刷って景気を拡大することで、収入を増やし借金と返済バランスをとろうとアベノミクスと呼ばれるようになった施策を打ってきましたが、この最中、消費税を増税する事はブレーキをかける事にイコールとなってしまいます。なぜそこまでして消費税を上げなければならないのか?1ヶ月弱前の記事ではありますがForbesに分かりやすくまとめられた記事がありましたので紹介します。この記事を読むと、日本の現状がどのような状況で、海外の有識者からどう見られているのか別の角度から客観的に見るのに役立ちそうです。注意点としては、日本が持つ海外資産(600兆円ぐらい?)については一切触れられていません。軍事的な裏付けを持たない日本の場合、踏み倒される資産として勘定に入っていないのでしょうかね。何れにしましても一つの見方という事で紹介させていただきます。
- 日本の健康状態:借金1000兆円、1年に日本国が稼ぐ総額450兆円、2.5倍
- 新しい借金が毎年増え続けている、利払いは収入の半分近く
- 高齢化が進む社会保障費・年金が破綻する恐れ
- →間接税としての消費税を上げざるを得ない
- 一方で収入を増やさないとやばい。アベノミクでお札を刷ってインフレにして経済を大きくし、税収を増やそうとしている。
- 消費税はこの施策のブレーキになる。でも上げなければ医療・年金破綻が起きる勢いなので、日本格付けが格付け会社によって下げられて、金利が上がる
- そうなると政府は利払いだけで収入の80%という自体に→破綻する
一方で政府は税率アップによるブレーキ効果を和らげるべく大まかに4つの施策を披露
- 5兆円の財政支出(中身はこれから)
- 投資減税処置(7500億円規模)
-企業研究投資の減税
-設備投資(中長期業のパソコン購入や各種設備投資も控除対象に)- 賃上げ分の法人税控除(所得拡大促進税)
- 復興法人税の1年前倒し廃止(個人は継続)
となっています。1の5兆円については、まだ中身はこれからのようですが、過去実績からタカリによる無駄金となってしまう可能性もありそうです。
2、4は、企業の活力と投資意欲(企業が買い物をする)損なわいように配慮した控除措置、3は法人税の控除分をサラリーマン賃金に転換させる配慮のようです。
Forbesの記事の詳細を下記に記載しますが、今回の日本政府の対応が同評価できるか皆さんも参考にしてみてください。
- 日本の借金は1000兆円(10.7兆ドル)を超えた
- 借金の対GDP比率は240%。民間部門を含めると500%にもなっている
- 日本は先進国の中で最大の借金大国である
- にも関わらず政府の借金は現在増え続けている。将来においても新たな借金が減る気配はない。
増やし方は2つ、1.経済を大きくして税収を上げる。2.税金高くする。
この点アベノミクスは基本的に税金を安くして経済を大きくし、税収を増やすという考え方。税金を高くするという部分で消費税を誤解しそうだが、これは高齢化に伴い急増しつつある社会保障費に当てるための間接税(今回はこれが「1.の経済を大きくする」施策を台無しにしてしまうのでは?という事)
削れるモノ
余計なお金を使わなくする(公共事業、医療費などは大分削ったが、まだ公務員人件費には手がついていない)
削るどころか支出が確実に増えるモノ
社会補償費は、今後削るどころか、高齢化が一気に進む為、急激に増加する流れである。
このベースを賄うために、間接税としての消費税により今後支出が急激に増える社会福祉関連引当財源として段階的に+3%,+2%:計5%増やすことにした。(消費税はいわば用途が限定されてた目的税とも言える)
日本の借金:1000兆円超、対GDP比240%。高齢化が急速にすすみ社会保障費・年金などが破綻する→税金(消費税)で賄わなければならない。という見方で海外勢は見ている。消費税増税を先延ばしすると格付け会社は日本格付を上記理由から下げることになるので、日本の信用が低くなり金利上昇することとなる。結局先延ばしにしても、金利が上がり、借金が返せなくなる自体になりかねない。
結論
消費税を予定どおり増税しても、先延ばしにしてもいずれにせよ、日本はにっちもさっちも行かない状態(lose-lose situation)と見ることができる。
名目CPIの上昇は円安に輸入エネルギー価格・食物原材料上昇によるところが大きい。日本はエネルギーを自給できない上に現在原発の停止などでより多くのエネルギーを輸入しなければならなくなっている。結果としてエネルギーや資源コスト(原価)上昇するが、価格転換できにくい状況下では、賃金は上がりにくいという図式になっている。
- 新たな借金を減らす
→急激に借金を減らすとお金が回らなくなるので即リセッションを起こしてしまう可能性あり。 経済規模を大きくする(GDP)を上げる→現政府はこの選択を選んでいる(アベノミクス継続)
名目GDPを上げることは簡単。なぜなら長引くデフレにより現在の名目GDPの規模は28年前の1995年当時と同じレベルだから。実質GDPについては、人口増と生産効率が上がらなければ上げることはできない。日本の場合生産者人口は今後減少する(税収入は下がる)。労働人口が1%下がる毎に2%GDPを上げるには、3%近く生産性を向上させなければならい。
日銀は日本国際を購入する為に、毎月7.5兆円もの紙幣を刷っている。これは市場から調達する借金と違い、どんどんお金が増えることになるので実質インフレになる(お金の価値が下がる)流れは加速するであろう。こうすることで、政府がインフレ率2%を達成したとしても、荒っぽく言うと、金利も2%上がる可能性も多いにあるということ。年間GDPが450兆円近くが2%上がっても9兆円、1000兆円の政府負債が2%あがると20兆円。政府歳入の80%近くを利払いだけが占めるような状態になってしまう。これが小国で国際保有者が海外勢だった場合、確実に債権危機が起きる。
「いずれにしても、日本は後戻りができない所まで来ていると言えるらしい」
1つ目は来年4月からの消費税増税(+5%から8%)
2つ目のオプションは増税時期を延ばす
3つ目のオプションは、増税をそのまま行い、政府がその分の負担を補充し、企業の設備投資などに非課税処置などを行うといったコンビネーション
→格付会社対応もできるし、GDPを上げるといういう意味ではマイナス効果を相殺できる。
他にも「Don't Be Fooled, Shinzo Abe Has Japan On The Path Toward Economic Ruin(騙されてはいけない。安倍晋三は経済破綻に向け歩みだしている」といった記事がforbesに掲載されていました。内容はざっくりまとめると以下のとおり。
Forbesより(前置部)
The administration of Shinzo Abe in Japan just approved a rise in the consumption tax (national sales tax) to 8% in April 2014, from 5%. This opens the door for another rise to 10% in 2015. At the same time, the Abe administration plans to spend ¥5 trillion on "stimulus" to offset the negative economic effects of the tax.x. I've described a typical path of decline as a combination of "stimulus" and "austerity." The "stimulus" mostly means spending money, or some kind of "easy money" policy.The "austerity" is some kind of tax hike. Put together, they add up to higher taxes, a moribund economy, more demands on the government as the private sector stumbles, more reliance by the government on distributing money as a way of bolstering political support, worsening finances, more waste, and a depreciating currency.安倍晋三首相は2014年4月からの消費税+8%への引き上げを承認した。この流れは2015年に予定されている10%への段階的引き上げに向けて音ドアを開いたようなものとも言える。同時に、安倍首相は5兆円規模の景気刺激索を打ち出した。しかし、歴史により証明されているが、景気刺激策と引き締め策を同時にやってうまく行った試しがない。なぜならば、景気刺激策とはお金のバラマキ(お金をどんど刷って借金する)の事で、引き締め策とは増税をいうからだ。増税しても景気があがらず現収入、民間セクターの景気刺激策欲求はますます大きくなり結果としてお金をバラマキくことでお金の価値は目減りし、インフレになりという悪循環に陥っています(最後の方に中性のスペインで同じことが起こったとも説明あり)
ポイントをまとめるとだいたい以下のような感じです。
- 5兆円の補正予算の効果っていかほどか?
- これは年間法人税や地方税を含む約半分
- 3%増税で得られる税収が6兆円(実際はそんなに税収あがらない)
- そんなお金をつかうのなら所得税減税措置を5兆円の半分近2.5兆円をミドル以上の所得層の所得税減税をやり手取りが増えたという錯覚を起こした方が経済効果は増大するのでは?
長文となりましたが、今回財務省から出された消費税増税による各種措置については、頭のいい人達によりきちんと練られたであろう内容だとなんとなく理解できるように思いました。ただ、大企業社員は別として中小へ務めるサラリーマンにとってはやはり物価(エネルギー:ガソリン、光熱費・食費)が上がり賃金がステイというのははやり厳しい物がありますね。
財務省のGoogle+から今回の対策内容が開示されていましたので、以下興味のある方は一読を。
・「消費税率及び地方消費税率の引上げとそれに伴う対応について」(閣議決定)
https://www.mof.go.jp/comprehensive_reform/251001.pdf
・「消費税率及び地方消費税率の引上げとそれに伴う対応について」(平成25年10月1日閣議決定)の概要
https://www.mof.go.jp/comprehensive_reform/251001_gaiyou.pdf
過去の記事