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企業経営は、信用創造といえる。Amazonの1枚の売上・純利益グラフ...を読んで思う事

2013年10月28日 ネズミ1号:略称「T」
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THE NEW CLASSIC:こちらの記事で赤字Amazonの経営手法がわかる!といういう記事がありましたが、マーケットに信用される企業経営というのはまさに信用創造と同じなのだなとつくづく思えるAmazonのジェフ・ベゾスについての記事でした。「連続企業家という流れは日本にも到来するか?」でも書きましたが、M&Aを一つのバネにして信用を創るという話を紹介しましたが、ベゾスさんはまさにAmazonとおいう枠組みの中で、売上げ利益をすべて将来価値へと変換する男だという信用創造を作り上げている人なのかもしれません。


 

 

企業は永遠に青年期でなければならない

ちょっと気になってベゾスがどういう男なのか捜してみましたが、The 20 Smartest Things Jeff Bezos Has Ever Said(ベゾス20の名言)の中に心理をつく言葉がありました。

"All businesses need to be young forever. If your customer base ages with you, you're Woolworth's."

ビジネスは、常に若い青年期であるべきだ。企業が顧客と共に年を取っていくようでは、ウール・ワースのように滅びてしまう。

"If you only do things where you know the answer in advance, your company goes away."

もし前もって答えの分かる課題しか取り組まないようなら、あなたの会社はつぶれるだろう

堅実に常にチャレンジし続けることが企業の信用創造につながる

記事によるとAmazonの赤字は市場ではすでに織り込み済みだそうですが、いってみれば長期的な観点での投資ができる信用がある企業として評価されているようですね。下の売上げと純利益のグラフを見ても、利益のほとんどを投資にまわしているのが分かります。

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ベゾスは、常に新しい投資に利益や資金を回すことで、十数年たっても、停滞感を出さない、また確実に売上げを右肩上がりのグラフにするという歴史を積み重ねることで、現在のポジション評価となっているといえそうです。

でも、以前から金持ちロングテールなどといった賛否も?いつかははじける?膨らみすぎた信用!?

どこかで聞いたことがあるかもしれませんが、膨らみ続けた信用はいつかは破裂するものです。投資は投資ですので、いつか何らかのタイミングでエグジットしなければならいものですが、Amazonについてはそれがいつになるのか昔から議論されているのも事実。

常に青年期(公開銘柄でありがなら投資でいうところのラウンドAからBをずっと..)アニメでいると、サザエさんでたらちゃんやいくらちゃんが30年以上立っても幼児のままというのはどこか無理があるように思います。ただグラフのrevenueを見ると確実に右肩上がりとなっています。アマゾンのビジネスモデルを勘案するに、ストック型の収益に近い売上げ構成と推測されるので、昔の帝国主義のごとく、競合を支配し、異なるセクターチャネルも侵食することで、確実に帝国の生産性を増大している八日にも見えます。

ベゾスの最終イメージと投資家の思惑は合致しているか?

膨らみすぎた帝国が破綻することはないのか?ローマ帝国も膨らみすぎた帝国を維持するための経費がかさみ滅んだといわれていますが、Amazonの場合はどうなのでしょうか?

ECセクターではホールセラーとなり、クラウドやデバイスまで進出しようとしています。実際のAmazonのP/Lを見ると決して利益体質とはいえないように思います。

図2●アマゾンとグーグルおよびイーベイの連結損益計算書の比較

2006年当時の金持ちロングテールと貧乏ロングテール(ロングテールはもうかるのか?)より

Amazonの利益率はだいたい普通の流通業と同等(IT企業なのに..※現在はデジタルも扱っているので若干違うかもしれません。)

図4●アマゾンの地域別の粗利率

図5●アマゾンの売上高および営業利益率の推移

以下引用

 アマゾンは約1兆円の売り上げがあるが、表1のとおり、利益率は日本の小売業大手とさほど変わらない。アマゾンは、「ちょっとだけ利益率のいい、一回り小さめのヤマダ電機」といった規模の会社であることがわかる。

 株式の時価総額も、2006年8月18日現在、ヤマダ電機の約1兆2000億円に対して、アマゾンは約1兆4000億円(122億ドル)で同程度。もち ろん、グーグル(約13兆5000億円、1174億ドル)、イーベイ(約4兆5000億円、392億ドル)には、大きく差をつけられている。投資家も、 「ネットだから」という理由で、アマゾンに対して店舗型の業態を大きく上回る期待をかけているというわけでもなさそうだ。

上のグラフを違った見方をすると..ネット企業としてAmazonが現在の地位を維持するには、猛烈な競争による「死の谷」が永遠と広がっているという現実も..

実際に財務を見るとそんなによろしくはないのかもしれませんが、生活で当たり前になったAmazonについては、普段良く使うサービスだから、広大に広がる「死の谷」を制すべく肝っ玉の据わったベゾスの手腕に対する信用という点で、現在に言ったっているというのが分かりますね。

おそらくベゾスはこのことが分かっているからこし、堅実に類まれなる精神力と集中力とで突っ走っている状態だということができます。投資家は、ベゾスがどこまでやりきるのか昔は疑心暗鬼であったようですが、もう慣れっこになってしまったともいえそうです。ただ、この現実をきちんと共有できているのでしょうか?

Amazonの信用がはじけるのはベゾスがリタイヤするような時!?

ジョブズ無き後、カリスマ経営者として名をはせつつあるベゾスがリタイヤする時、マーケットは今まで忘れていた現実に目を覚ますかもしれません。その時がAmazonの信用が崩れる時かもしれません。ちょっとひねくれた見方をすると、現在の米国のエグジット戦略やリーマン以降緩和によりなんとか維持している世界の経済状況とAmazonがどうもかぶって見えてしまいました。

信用が崩れたAmazonを引き受ける最後の引き受け先Wallmartになったなんて話になったらなんとも皮肉なお話となりそうですね。



2013年10月28日 ネズミ1号:略称「T」
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