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通信キャリア領域も浸食しよう試みるアジア・日本資本のメッセンジャーアプリの勘違い

2014年03月01日 ネズミ1号:略称「T」
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Lineもviberを買収した楽天もそもそもスマホユーザーがキャリアに月額いくら払っているという感覚がないのかもしれない

Lineや楽天が買収したViberなどが固定電話にも電話を掛けられるサービスを拡充するようです。viberではViperOutというサービスがありますが、こうしたニュースを見て私個人としてはなんとなく違和感を感じてしまいます。ViberもLineも、元々はVoIP(VoiceOverIP)という技術を使って無料通話ができる事を売りにしていたソフトです。その起源はPCから普及したSkypeになります。日本では、ガラケーからスマホにシフトすることでWiFiや3Gなどによる携帯端末からの常時接続環境がそれまでタブーとされていた携帯端末上ので無料通話、つまりVoIPといったインターネット無料通話を可能とした言えると考えています。私の知る限りその草分けはSkypeとViberだっと思います。


 

 

Viberは国際電話が無料で出来た。一方Skypeはお金をとった。

Viberはベトナムやインドネシア地域で数多くのユーザーを抱えていますが、私も当時「国際電話がタダ」でかけられるということで、真っ先に入れたのを覚えています。海外の出張先からも、ホテルのWiFiにiPhoneを接続してしまえば、タダで無料通話ができました。iPhone4が出てから、う無料でTV電話ができるTangoも使うようになりましたが、もっぱらViberが多かったと思います。

日本でVoIPが一般に普及したのは3.11震災がきっかけだった!?

私のケースですと、3.11震災前に私の電話帳に登録されている700名近くの日本人でViberを入れている人は殆どいませんでした。それが震災以後数か月でほぼ9割ちかくViberを入れはじめたのではないかというのが肌感覚の感触です。viberは端末電話帳を読み込みviberネットワークで認証すると、電話帳リストの名前の横にViberのアイコンがつき、●●さんがviberが使えるようになりましたと通知してくれるのです。

震災当時、私は都心で仕事中でしたが、唯一妻とつながったのが、接続できた公衆無線LANからViberとTanngoでした。当然電話回線はいくら発呼してもつながりませんし、こうした経験から余震が続いた数か月に間に一気VoIPアプリを周りの人が入れたように思います。電話回線は、通話リクエストが一気に行われれる前提で設計されていないため、街中で全員が電話を使おうとすると輻輳し、回線が詰まってしまいますが、インターネットはもともと核戦争を想定した分散されたネットワーク設計であったため、災害時に威力を発揮するという概念をなんとなく知っていたのですが、本当の意味でこれが実装された出来事だったと今でも記憶に鮮明に残っています。

Lineは震災後に「つながる無料通話」という切り口で一気に時流に乗った!?

Lineについては当時私は気にもかけませんでしたし、viberで充分ということで、「つながる無料通話?なにをいまさらと」と思っていたのですが、震災で大変な目にあった一般層がレイトフォロワーとして見事に乗せられてしまったのだろう当時は考えていました。Lineのシェアは日本>アジア地域となっていますが、なぜこのように普及母体が偏っているのかというと災害の記憶に訴えてプロモートしたことが大きかったと思います。その後はスタンプなどのメッセージングを面白おかしく演出するマーケティングでアジア地域に受け入れられたという感じではないでしょうか?Viberなども大分遅くになってですが、スタンプもどきを導入したと記憶しています。

本当の意味のメッセンジャーとは、SMSやMMS。海外ではメールの変わりにショートメッセージのことを指した

今メッセンジャーソフトと呼ばれているものはもとはと言えば、携帯電話にTCP/IPというインターネットプロトコルを使ってネットで音声通話ができるものだったといえますが、日本では、iモードが普及していたので、ケータイでもインターネットメールが主流でした。一方で海外では、SMSというものが主流で、電話番号をしていして限られた文字数のメッセージを送信するものでした。当然電話回線に乗せておくるので、通話料がかかりました。

VoIPがSMS機能をTCP/IPに乗せて無料にするとで、日常用途にも普及していった

日本でも特にiPhoneが普及するにつれ、SMSを使うユーザーが増えてきたと思います。実はガラパゴスケータイにもSMS機能はありましたがほとんどの人はキャリアメールをつかっていたのではないでしょうか?しかし、iPhoneになるとSMSが主要ソフトとしてどっしりホーム画面にあったのと、メールと違い、チャットライクにタイムラインっ上でリアルタイムに話ができるユーザーインターフェースが斬新だったと記憶しています。これに目を付けたのがVoIPアプリ陣営で、viberやLiineも無料SMSが使える的な発想で、メッセージング機能を強化した時期だと記憶してます。スマホのSMSについては、日本でもキャリアをまたがった送信は有料もしくはそもそもできないという制約がたしかあったと思います。たとえば、ドコモからAUにはおくれるけどソフトバンクからドコモはだめとか、AUからドコモは1通10円とかいった感じだったと記憶しています。

電話番号をインターネットで使うメールアドレスのようなものとして機能させる発想が爆発的な普及を促進した!?

もともとはVoIPアプリであるメッセ―ジャーソフトはインターネットを介して行うので、当然費用は無料ですし、送る相手がどこのキャリアかという制約もなくります。もっと言うと、海外のキャリアでも関係なくなったわけです。
更にいうと、ソフトウェアに電話帳を読み込み、知人や友達で使っている人がいたら即使える、その効力として●●さん、●●ちゃんもアプリを入れるというネズミ講的なメカニズムが数か月の間に爆発的に普及したドライバーになったとも考えています。電話帳は知人や仲のいい友達リストが詰まった最高のデータベースです。頻繁に連絡を取り合う人から知り合ったばかりの人まで電話番号さえ知っていればすぐにメッセージを送ることができた点も大きいと考えていました。なぜならば、電話番号ならば、口頭で話してもすぐに電話帳に登録できますが、メールアドレスですと入力が面倒です。日本では、QRコードでメールアドレスを交換したり、赤外線通信なるものがありましたが、スマホになってこのような機能はめっきり使わなくっているのではないでしょうか?

LineもViberもキャリアのネットワークにただ乗り(フリーライド)してユーザーを広げたプライヤー。なのにキャリアが静観したのはなぜか?

当時のドコモの社長は決算発表会でこうしたVoIP(ヴォイプ)サービス提供事業者を我々のインフラをフリーライドする事業者でけしからんと思うところもあるが、スマホにシフトし、WiFiやキャリアネットワークを介して本当の意味でのインターネット常時接続環境をケータイ端末が手に入れるに至っため、PCと同じくVoIPの普及を止めることはできない。キャリアとしては、パケホーダイ接続に全ユーザーが加入することによる全母体ARPUを底上げするメリットがあるのでスマホシフトへ舵を切りたい..。という趣旨の発言をしていたと思います。これはどういう意味かというと、フィーチャーフォン時代は、月額4000円近くするパケホーダイ加入者は、全体の6割ぐらいだったのではないでしょうか?だいた月額ARPU(1人あたり月売上)は平均して5000円ぐらいが当時の相場となっていたかと思います。

それがスマホになると定額ネット接続だけで、5500円強、電話基本料金を入れてだいたい6500円位です。これは一番安い契約料金です。ガラケーの時は一番安い契約ですと1ヶ月3000円代だったっと思います。契約者が一律で6000円以上月額払いとなるとキャリアとしては、上位2割のヘビーユーザー以外の残りの多数の母体から今までの2倍近くの収益を底上げできることになるわけです。

表向き、VoIP業者について制限をかけたりしなかったのはそうしたうま味があったからだと私は考えています。キャリアからするとスマホにシフトしてもらうということは通話しようがしまいが、一律で6500円近く入ってくるといえますし、逆にいうと、データ通信をしようがしまいが一律で6500円入ってくるという非常においしい事なんだと思います。いまだ5000万人近くがフィーチャーフォンを使い続けているといわれていますが、これはひとえに、月額費用が増大するという点で今の電話で十分という方が多いといっても言い過ぎではないかもしれませんね。

もちろんスマートフォンの契約についても定額契約をはずすことができますが、スマートフォンはOSの自動アップデートなどバックグラウンドでさまざまデータ通信が都度されており、パケホーダイに入らないと法外な請求が来てしまう恐れがあるのです。お年寄りの方や機械音痴の方などは設定などこまめに調整してパケット通信がおこらないようにするのは難しいので結局パケホーダイに加入することになるのです。

高い月額費用を払っているユーザーがクレジットカードでさらに通話料を払うことはありえない!?
通話という文脈ではなく、メールアドレスを電話番号に置き換えるような発想の転換が今後のチャンスとなりうる!?

子どもたちがゲームメイカーになったソーシャルメディアの注目すべき変化と必要な戦略の転換とは!?」でも紹介しましたが、ゼロスタートしたサービスがあっという間に数千万人のユーザーを有するサービスになるという現象が近年のトレンドのようです。これは2歳からスマートフォンやファブレットに触れている子供が自分のスマホを親から買い与えられる小学校高学年、中学・高校といった学年になった時にどういったコミュニケーションサービスがクールに思ってもらえるか?が今後のサービス企画のポイントとなるかもしれないということに置き換えられるようですが、今日本を中心に流行っているLineがメッセージングアプリ上でゲームを展開しているのもそうしたことを意識しているからこそと言えるかもしれません。新しい感覚をもった次の世代がスマホやファブレットといった端末の特性やネットワークの特性をどう友達付き合いで使いたいと思うのか分析することが今後更に重要となるかもしれません。

一方で、通話という領域においては、確かに普段使っているアプリの(アドレス帳)で完結することは便利かもしれませんが、キャリアに月額支払っている費用を考えるとあえて+αの費用を払ってまで固定電話にも通話するということを利用者はやらないとも考えられます。なぜならば、余計な費用がかかるぐらいなら、別の手段でコミュニケーションをとろうという心理が働くのが消費者心理と言えるからです。つまりアプリの階層でキャリアのネットワークにただ乗りすることで普及したサービスが、回線交換サービスの階層で成功するとは限らないということですね。

固定電話番号を家族のグループアドレスとして通知できるようなサービスは面白そうな予感

通話という観点では、今後スマートフォンをインターネット上(TCP/IP)で子機化するような発想のメッセーンジャーアプリができたとしたら固定電話も凌駕するメガアプリとなるかもしれません。今や少なくとも先進国では1人1台の端末をもっているようになっていると言えますが、一般家庭の固定電話契約はIP電話で月額500円弱、旧式の電話加入権利ベースの基本料金が1700円弱です。キャリアはIP電話へのシフトを推進していますが、IP電話ではなく、スマホを固定電話の子機とできるようなサービス、固定電話番号を家族のグルーブ番号として通知できるようなVoIPサービスなどできたら違った意味で面白くなりそうです。

固定電話番号をクラウドデータベース上でとスマホやソーシャルアカウントIDなんかと紐づけて固定電話番号を指定してVoIPがかけられるという特許を取ったら面白いかもしれませんね。



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