日本政府の借金は1500兆の大台にちかづきつつあるようですが、日本のバブル崩壊以降、およそ数十年にわたって刷りつ付けた来て赤字国債の発行額も、近年毎年の発行量は結構なボリュームになっているようです。
日本の年間予算106兆円の半分近くが、赤字国債で賄われているといわれていますが、普通の家計で考えてばいつかは破綻するというのがセオリーです。
ただ一方で日本は円建て国債だから絶対破綻しないという話も聞きます。
今日は、ちょっと時間ができたので、円建て国債借金をこのまま永久に増やし続けていった場合、財政破綻しないのか?しないとしても、どのような副作用がおこりうるのか、普段、財政や金融には縁遠い素人ながらに頭の体操として考えてみました。
政府が赤字国債を刷って、日銀が銀行券を発行してそのお金で国債を買ってため込むということになるので、これを繰り返すということはひたすら日銀のバランスシートが膨らむわけです。
お金をどんどんするということは、日銀が創造する信用が膨れ上がり続けるということですね。
資産 | 負債 |
保有国債残高 (+赤字国債を購入し保有残高が増す) |
発行銀行券残高 (+銀行券を発行して国債を買う) |
現金 | 当座預金・・ |
※日銀がお札を刷って、保有資産として赤字国債を沢山ため込むと↑のようなイメージになる
※ちなみに実際の日銀のバランスシートはこんな感じみたいです。
上の話とは別に借りた借金には必ず返さなければならない期限というものがつきもの。これが赤字国債でいうところの償還期間ですね。政府は発行した赤字国債の償還期限が到来すると利子とは別に、元本を返済しなければならなくなるわけです。
その元本を返済するために、また赤字国債を刷ってそれを日銀がお金を刷って購入し、その現金で元本を償還するというマッチポンプが繰り返されているようです。
つまり、償還のための赤字国債、財政出するための赤字国債と2つの性格の赤字国債を発行する必要があり、償還するための赤字国債は将来赤字国債を発行しなくなったとしても償還期限が到来する度に、先のようなマッチポンプを行わなければならいくなるわけです。
円建て国債は決死てデフォルトしないとか言われています。
一方、国の借金を減らすということは、日銀が保有する国債を減らすことになると思いますが、これは、日銀が保有する債権をどのように吐き出すかとうことにつながるんでしょうね。
仮に外貨立てで外国に販売したとしたらギリシャのソブリン危機のようないろいろな問題が出そうですが、日本国内の金融機関や個人が購入した場合、銀行預金が国債の消失ともに消えることで、日銀のバランスシートが小さくなっていくイメージだと思います。
一方で、市中に出回るお金の量は変わらないわけなので、仮に日銀が保有する国債を円で売り払ったとしても結局のところは下のようになるイメージでしょうか。
資産 | 負債 |
保有国債残高 -(売却する) | 発行銀行券残高 |
現金+(国債売却分現金がプラスされる) | 当座預金・・ |
↑のイメージからは、国債の保有残高が減ったとしても、現金資産が増えることで差し引きゼロとなりバランスシート全体は実は変わらないのかもしれません。
一度、銀行券を発行したら、陰で回収して燃やして処分というのはできないということですね。
銀行券の元来の性質として重たくて持ち運びができない金貨を預けたことを証明する引換券だったことから、仮に銀行券が損傷受けたとしても、あづけた金貨はその人のものというのは変わらないわけでなので、陰で銀行券がなかったことにすることができてあら詐欺になってしまうのと道理が合うように思います。
バランスシート自体を小さくするには、市中に出回っているお金を何かに償還しなければならいように思いますが、よく考えてみると・・・そもそも一度創造した価値を無いことすることはできないように思うので、一度中央銀行のバランスシートを大きくしてしまったら、小さくするにはデフォルトするか、お金の価値が少なくなって(周りから認められなくなり)通貨を切り上げるようなことをしない限り無理ないようにも見えますね。
つまりお金の価値を1000円が100円ぐらいとするみたいにリセットするということになりますが、いわゆる信用が崩れる(お金の価値がなくなる)とうのがこれにあたるんでしょうね。
信用の価値が崩れる時ってどんなときか、想像できると思いますが、「お金の価値がなくなる時ですね。」
お金の価値が少なくなる時というのはインフレになってしまうことというのも腹落ちすると思います。
では、日本の借金モデルの場合、コントロール不能なインフレになる場合はどんな時でしょうか?
まずは、借金の使い道について想像してみます。
国が赤字国債をして借金をして、そのお金で、公務員の給料を支払ったり、福祉に使ったりすることで、市中にお金が出回まわります。つまりこれが使い道という感じ。
市中に出回るということは、一般国民の預金口座にお金が振り込まれるようになるということですが、実際はどうなのでしょうか?
一般的に、インフレになるケースとしては2つのケースが考えられるのではないでしょうか。
1つ目は、大量のお金が出回り、みんなが裕福になって(預金口座に有り余る金がある人が増えて)、少ない物資に対して大量の需要が発生して、ものの値段が極端にあがるような時
2つ目は、日本の円の価値が諸外国から見て限りなくゼロに近い価値しかないと認識されて、日本円で、エネルギー資源や輸入物資が買えなくなる時です。
各国中銀が、テーパリングや将来の利上げに向けて出口戦略を取りつつある中、日銀だけが、質と量は別しても量的緩和を継続するようです。
今、日本でも物価があがっているのは先の2つ目に関係する部分かと思いますが、1つ目の部分については、庶民大勢が裕福になる(賃金などがあがる)ことで起きることは明白ですね。
お金をどんどん刷って、赤字国債を発行していますが、その多くが、国債の償還に使われるようなマッチポンプとして循環したり、数十万人レベルの市区町村を含めた公務員などの給与や社会福祉に消えて行っているみたいです。
現在、日本の人口は1.2億ぐらいだったとおもいますが、その数パーセントぐらいにしかこうしたお金って行きわたっていないのだとしたら、インフレはおこりませんよね。賃金水準が20年前と変わらずというか、逆に減っているような状況だからこそ、市中にお金が出回っているようでも、モノへの需要増が発生しないのでインフレが起こるどころか、デフレが続いていたということが言えるかもしれません。
市中にお金がある程度出回って、実は不動産の価格は結構上がってきているのをご存じでしょうか?都心のマンションは1億越え、私の近所も20年前は4000万前半だった戸建て物件が、今では6000万円以下の物件を探すのが大変なぐらいになっています。
また、一部では、高級な外車などが飛ぶように売れているという話も耳にします。そういう意味では、土地や株などでもうけているような人もいて、日本でも確実に資産バブルは起きていると言えそうです。
マンションや戸建ての値上がりは、20年前までは厳しかった住宅ローンも、ゼロ金利下で、銀行が積極的に融資してくれていたからだと推測していますが、足元では円安の進行とエネルギー高が進んでいます。
日本は資源がない国なので、輸入しないと十分な生活物資やエネルギーを賄うことができないとも言えますが、各国が膨れ上がった信用をこれ以上大きくするのをやめようとしている中、日本だけ安い賃金水準でインフレにならないことをネタとして量的緩和を続けています。
資源がない国なので、輸入に頼らなければやっていけない訳ですが、エネルギーをはじめたとした物資に、ハイパーインフレになりつつある世界の先進国需要が殺到して物資の価格が急上昇しているようです。
日本では、賃金は20年前と変わらない低水準なのに、光熱費や、物価だけが急激に上昇するといういわゆるスタグフレーションな状況が起きつつあるといえるかもしれません。
エネルギーや現在材料価格が上がるとモノの値段が上がることになる訳ですが、原材料高騰でモノの値段があがるだけなので、企業の利益は増えないというか、モノやサービスを買える値段にも限界があるので、逆に利益を圧迫するようになると思います。
物価が上がるのに、利益はでないー>更に賃金が下がる・・という最悪の循環がスタグフレーション下では起こるのかもしれませんが、現実にこのようなことが起きるのは是非回避してもらいたいものです。
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