2013年06月19日 ネズミ1号:略称「T」
時事・経済要点
タグ:
エネルギー
,
シェールガス
週刊ダイヤモンドより:「シェールガス革命という高貴な嘘」のエントリーで言及しましたが、シェールガスが次のエネルギー革命まで2015年代までの繋ぎネタだとしてその2年間に世界勢力図がどうかわるか予測している記事です。ミクロな確度からエネルギー事情と各国の情勢が見えてくると思います。
【この記事の要旨】
- 米国シェールガス神話によるエネルギー価格下落圧力がすでに働いている
- シェールガス革命での勝ち組はインド、負け組はロシアとブラジル
- BRICs諸国は普通の国になる
米国は政界最大の石油消費国である。最盛期にはその消費の60%を中東に依存していたが、国内で賄えるようになると当然産油国など資源国は価格を下げざるを得ない。こうしたシナリオや見通しなど先物で読まれすでに価格下落がはじまっているようです。
世界一の石油消費国である米国が自国でエネルギーを自給できるようになると中東依存度が下がり、エネルギー資源国に世界的なダンピング圧力がかかるであろうと述べられています。
こちらの記事では特に言及されていませんがFRB出口戦略発表から続く資源国からのマネーの逆流に続き、資源価格の値下げ圧力が世界的にかかる事で、新興国は大ダメージを受けるということが言えそうです。
「シェールガス革命の高貴な嘘」では中東有事が仕掛けられた場合、逆にエネルギー価格が高騰し、米国シェールガス・オイルが輸出採算ラインに乗るとも言われていますが、米国はシェールガス革命×FRB出口戦略というソースによるマネー引き揚げと資源価格暴落というダブルパンチとその後、有事におけるエネルギー価格高騰によるシェールガスによる利益刈取り、武器輸出による軍産複合体へ利益配慮などいろいろな話が考え方によっては繋がってくるみたいでこの点は興味深いお話です。
複数の記事を読み比べることで、いろいろなことが見えてくることが本妻との目的ですが皆さんはどう読み解きますか?
シェールガス革命というネタは、原油や天然ガスの国際的な価格を引き下げる効果があるようですが、逆に言うと現在のエネルギー資源価格を享受し経済成長を遂げてきた国々は利益が減る異なりダメージを受けるそうです。
具体的には、ロシアとブラジル。エネルギー価格下落によりこれまでの経済成長率は見込めず構造的な経済停滞に突入する可能性がある。また、経済停滞をトリガーとしてロシアでは政変リスクがブラジルでは不良債権リスクが表面化することもありうるそうです。
逆に勝ち組は?というとインド。
脆弱なインフラやカースト制度などの制度上の問題もあり、外資を思うように呼び込めていなかったそうです。逆にいうと出口戦略によるマネー逃避影響をそんなに受けないということ、またエネルギー価格暴落の影響も受けないということです。どう改善するか特に理由は述べられていませんが、エネルギー価格が下がることはIT立国としてのインドとしてはプラスに働くというこのようです。
中国は?というと実はシェールガス・オイルに関しては世界有数の埋蔵量があるそうです。技術的にどれだけ事業化できるか不明としながらも、エネルギー下落に端を発する生産コスト構造の激変からこれまでの地位を維持できるか不明な要素も出てくるので勝ち組とも負け組ともいえないとの事。国内政治リスクについて留意が必要とのことですが、この辺は今にはじまったことではないので今回は言及やめておきます。
中国は実質5%の経済成長もしくはそれを切っているかもしれない。これからの高成長諸国はフィリピン、インドネシア、タイ東南アジアの国々なるそうです。BRICsからASEAN諸国へ注目がシフトして行くそうですが、具体的な背景シナリオや理由が述べられていないので尻切れトンボな感じですね。
2013年06月19日 ネズミ1号:略称「T」
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