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落とし穴の多い難解な法律条文の読み方について

2014年02月03日 ネズミ1号:略称「T」
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「特定秘密保護法は医の倫理と正面衝突」を読んで

HuffPost:記事では、「特定秘密保護法案」に関する巧みな条文を事例として医療情報の開示ついて読み解き方が言及されています。
この記事を読むと法案作成側の意図、それを解釈する者の意図、法案に抵触しまいと現場で実際に事案に関わる人などさまざまケースを想定しながら検証することの重要性を認識できます。
一言で法律といってもこうしたあらゆる観点による解釈や条文が及ぼすであろう作用、影響について憂慮しないと本当の意味では法律条文は、読み解くことができないということを改めて気づかされた次第です。今日は、難解な法律条文の読み解き方イメージについてハフポストの投稿を例にイメージしてみます。


 

 

単体の法律条文だけ読んで納得しても落とし穴が!?。

法律条文中に規定されている詳細な内容やその他関連法などとの作用関係を把握することが肝要

法律というものは、該当する条文だけ読んでもダメなんですね。その他の法律やその中に含まれている規定や前提となる憲法などあらゆる事を知らないと単一条文だけ解釈して、問題ないと考えても、いざ裁判をする際に、敗訴してしまうということがある事がこの記事を読むと理解できます。
司法試験がいかに難しく、判例を含め個々のケースについてコンサルティングをすることとなる弁護士という職業がある意味でいかにプロフェッショナルなものであるか改めて認識できました。

<<法律条文の解釈事例>>
-弁護士会前科照会訴訟-のケース

このケースは解雇された自動車教習所の技能指導員が地位保全を求めて中央労働委員会と争った裁判です。弁護士法第23条の2「弁護士会は弁護士の申し出に応じて,公務所又は公司の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。」に基づいて、京都市の区長が違法な公権力を行使したとして損害賠償を命じられたという最高裁判例です。
このケースでは「弁護士法には従ったが、守秘義務違反となった」という事例とされています。
弁護士法という法律条文に素直に従ったのになぜ罰せられるの?と思ってしまいますがこれは、「弁護士法には従ったが、守秘義務違反になった」ということえ、別の法律に抵触したと指摘されたということなのです。
では何がいけなかったのかということになりますが。以下の2つの要素を見落としたと指摘されています。

  • 1つの法律で回答義務及び違反した際の刑罰が明記されているか?
  • 他の法律への違反を免責されると書かれているか?

つまり罰則がないので実は区長は弁護士法に従う必要はなかったし、弁護士法の中に、他のいかなる法律に対し免責されるとされていなかったとう点で、犯罪人名簿を一般的な身元証明書や照会等に応じて回答するのに使用するのは違法であると判断されたのようです。
記事中で言及されている特定機密保護法についてもこの事例に近い照会権について解説がなされています。

具体的には「薬物の乱用及び影響に関する事項」「精神疾患に関する事項」を調査する際、医療機関に対して照会がおこなわれるケースが想定されるようですが、政府は、国会審議で医療機関に「回答義務がある」との見解を示しているそうです。条文本文には、「個人の同意を得て」とあるそうですが、開示された逐条解説では、同法12条に定められている適正評価部分に該当するそうですが、政府は特定機密にかかわる事項であれば、保険者に対して受領医療機関を照会することもできると明確に記載されているそうです。
しかし、医療機関側の回答義務や刑罰が明記されておらず、他の法律への違反を免責されるとおも明記されていないそうで、義務と思い込んで回答すると場合によっては違法行為になるう可能性があるそうです。

例えば、医師が政府機関より個人の同意を得ずに、回答義務を守りあなたの診療情報を開示したとします。
この行為に対し後にあなたは、基本的な人権・プライバシーの侵害により被害をこうむったとして訴えようとします。

刑罰があれば司法に持ち込まれる契機になるが、刑罰がついていないようなあいまいな強制力で争点を生じさせないようすれば司法の場に持ち込まれにくくなる。

適正評価の対象となっている個人が医師や医療機関を訴えても争点となる可能性は低く、訴えても無駄だということに流れになる

のではないかと言っています。つまり、医師があなたの同意なしのしかるべき機関に特定機密にかかわる事項だとしてあなたの診療情報を開示しても、うったえようにもうったえる価値がないと弁護士の先生からアドバイスを受けることになるということです。

一方で記事では、「世界標準の医療倫理基準なども照らし合わせて考える必要がある。」これは、「医師が最優先すべきは患者の人権であって、法の要請ではない、法が患者の人権を脅かす恐れのある時は従ってはいけないというもの」だとも説明しています。

ちなみに...「個人の自由を制限できるのは、別の個人の自由と衝突した場合だけだ」
というのが近代以後の世界的合意事項。

だそうなので、国民主権の国で法が市民の人権を脅かすような事態は想定されていないというそうです。
つまり憲法でいうところの国民主権、基本的人権という観点からすると当該事案は違憲となるのでは?と説明していることになりますが、国家対個人で違憲が争点となる裁判を行うことはほぼ絶望的な挑戦だと思えてしまいますね。
一般的に全体主義的な国家では、国家を市民より上に置くため、法が市民の人権を脅かす事態が起こることとなるそうですが、国際法、憲法などさまざまな観点で法案というのは見てゆかないとしっかりとした実態解釈ができないものなのだと改めて考えるきっかけとなるのではないでしょうか?

メディアで騒がれている「特定機密保護法案」については、「公務員に規定されるものだから関係ないでしょ」と考える方も多いかと思いますが、ひょっとすると我々の生活にも特定機密の関する事なので..と何らかの形で実は関係してくるものなのかもしれないと観点を持つと、話題となっている法律条文について少しは読んでみようという気になるかもしれませんね。



2014年02月03日 ネズミ1号:略称「T」
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