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中国株暴落。この1か月2億人近くが1000万円近くの財産を失った。

2015年07月20日 ネズミ1号:略称「T」
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2012年夏に解禁された信用取引でくらった人民の行く末

現代ビジネス:2012年に中国株価が低迷してから解禁された信用取引。ちょうど習近平の国家主席就任と同じくして株価底上げ施策として一般庶民をマーケットに参加させるためのトリガーとなったようですが、ここから中国株式ドリームが白熱化していったようです。一昔前までは、余剰資金で株で儲けてマンションと車を買う。中国人の財テクパターンだったようですが、信用取引が解禁されてからは、既にもっているマンションや車を売り払って投資する人が続出していたそうです。


 

 

股民(ぐみん)政策がマーケットに取り込んだ一般投資家の数は2億

中国が信用取引を解禁したのは、丁度、リーマンショック後、米国量的緩和がはじまりエグジットについてFRBが言及しはじめた時期に重なります。当時豊富な流動資金とゼロ金利政策による金利差によりあぶいたマネーは成長が期待される新興国へ投資という形でながれていましたが、FRBが量的緩和を徐々に解除するというアナウンスにより、その投資資金が一斉に新興国から逆流する現象が起きた時期だと言えます。外国機関投資家の資金の引き上げがはじまり、株価低迷に入った中国では、股民(ぐみんん)を増やす政策としてそれまで行き過ぎた投資加熱を危惧し頑なに禁止してきた信用取引を解禁したのでした。

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信用取引とは、手元証拠金があれば、その何倍もの株式を購入できるという取引。本来そこまでキャピタルゲインをえれなかったであろう一般庶民も、日本円で100万、200万円の手元資金で、50万元から100万元(1元19円として)1000万から2000万円今日の株式を動かすようになってのです。それも社会人だけでなく、大学生はもちろん、はては小中学生まで株熱が蔓延していたのだとか。

信用取引では手元資金100万円でレバレッジを20倍で2000万の投資を行うことができます。

株価が30%さがれば1日で600万の損失が生まれ、手元資金は消えてなくなり500万円の借金がの残るのです。株式投資自体がゼロサムゲームだとすると、儲かる時は確かに利益も数倍ですが、損失した時は借金が数倍残る。これが信用取引の怖い所なのです。

株価が1か月で47%下がる。

先の例でいうと1か月で株価が47%もさがったとなると、800万近くの借金だけが残るということになりますが、中国では、ここ1か月で1000万円近くを刷った人が2億人近くはいるらしいのです。では、なぜ1000万近くまで借金がたまるまで株を売り払わなかったのか?と疑問に思う人もいるかもしれませえんが、素人投資では、損切がなかなかできないのがその原因かもしれません。

素人投資家は、損切ができない

素人の投資家にとって100万円というもとで資金が半分になるというのは許せないことであり、株価が急激にさがるさなかであっても何とかもとで資金は確保しようという思考が働くようです。実はレバレッジ取引一番怖いのは、損失がレバレッジを変えた分数倍にものぼるという点。プロの投資家であれば、サンクコストとして冷静に湧き切って損切し、残った資金の運用戦略を考えるということができるのですが、株式ドリームに欲がくらみ、マーケットに参加した素人にはそんな高度な精神的な駆け引きはとてもできなかったということでしょう。ましてや学生や10代の社会にも出たことがない若者がそんな高度な判断ができないというのも当たり前な話なのです。

2億人近くが1000万円近くの資産を失ったか、または借金を背負うことになった。

13.5億人と呼ばれる中国の人口ですが、その15%に上る市民が信用取引に手を染め1000万円近くの資産を失ったとなると、今後中国国内の内需については少なからず影響がでることも確か。株価上昇にともなって賃金上昇が続いた中国国内需要は昨年までうなぎのぼりな状態ではあったようですが、今後自動車、不動産などといったGDPを押しあげてきた消費の要は確実に停滞することは間違いなさそうです。一方で、「中国バブルは本当に崩壊するのか!?-株価暴落と経済について分けて考えてみた 」にも書きましたが、マクロな視点で中国経済をみると、ルイス転換点をこれから迎えようとする中国は13億人もの人民が都市市民として生活するために必要なエネルギー、資源などの確保をはじめ、今後内向きな内需政策を強化して行くことになるように思いますが、今後エレクトロニックスが最終商品形態であるスマホなどの端末からIOTとった部品が主体となるセンサリングチップへとシフトして行く流れを加味すると、この分野でコストを生かした外貨稼ぎはまだまだ続くようにも思います。

今後の中国の経済の動向には注目ですね。



2015年07月20日 ネズミ1号:略称「T」
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