ホーム > 時事・経済要点 >

イエレン氏:負の遺産の精算と米経済血流を末端まで流す政策を約束

2013年11月14日 ネズミ1号:略称「T」
, タグ: , ,


bloomberg:2008年9月のリーマンショックから約4年。米国経済は蓋をあけると失業率が7%と以前高い水準で推移しています。イエレン氏によると、失業率7%という数字は、実体経済における「労働市場」と「経済動向」が実際の国民総生産における潜在力を大幅に下回っている証拠だと言っています。この言葉を私なりに解釈すると膨大な金融緩和を行っても、実態経済を底上げできるような経済動向となるように末端までお金が流れていないと言っているとも言えそうです。では、ここで記事のインタビューからイエレン氏の政策のポイントをまとめてみます。
※イエレン氏画像:Bloombergより


 

 

単に量的緩和をするだけでは、実態経済を底上げできない。

米失業率7%「労働市場」と「経済動向」が潜在力を大きく下回っている証拠だとしています。金融バブルの精算をしただけですと実体経済を担う庶民の経済活動が底上げされるというは大きな間違いで、やはり一般庶民がモノを消費しないと底力(雇用)は生まれないという事なのでしょうね。これは、実態のないバブルによる雇用創出するよりも、きちんと実態のある経済活動を底上げすることで、末端失業率を下げましょうということを意味していると言えそうです。

リーマン・ショックの精算はきちんとする

「一部の銀行が大きすぎて潰せない」認識を是正資本・流動性ルールの徹底と強力な監視・監督
→リーマン以前、サブプライムなどで低所得者にまで住宅を買わせ、架空の価値を想像してきた張本人については、しっかり精算してもらう。金融緩和は、架空の価値が亡くなったショックを和らげるものであり、当事者を救済するものではない。

中小金融機関こそが、中小企業の企業活動をサポートし、雇用創出する起爆剤となりうる

イエレン氏は一方で、新たに策定する規制については、中小金融機関の役割や貢献を考慮して負担を制限する方針を打ち出しています。
実態経済において真の意味で雇用を生むのは、全米に点在する中小企業が元気になることだという事ですね。中小金融機関まで先行きの不安を理由にお金が回らない、なかなか融資できない状況を打破し、健全な金融機関としての融資、資金繰りのサポートといった中小企業がきちんと活躍できる環境を整えましょうという発想のようです。そうすることで、具体的に雇用も生まれ、失業していた人が雇用され、きちんとした生活を送るようになれることで、スーパーで買い物をし、洋服を買い、ローンを組んだり出来るようになるということです。

確かにバブルによっても雇用は生まれていたことも事実です。住宅が売れれば、住宅施工業者は人出が足りなくなり人を雇うでしょうし、保養地や旅行会社、プレゼント、贈答品などを作る会社なども繁盛した事でしょう。ただし、バブルははじけてしまうとその負の遺産が大きいため、回復が難しいのも事実。3年に渡りヘリコプターマネーをばらまいて、そろそろ実態経済を底上げしないという感じなのでしょうね。

こちら記事「量的緩和には配管整備が必要。スティグリッツ教授マクロ施策だけではなんの対策にもならない」でも書きましたがスティグリッツ教授は教え子イエレン氏の施策を指示しているようですね。ゴッホの絵が売れても実体経済を底上げするような乗数効果は生まれないということを明示した政策だと言えますね。

FRBの次期主力3施策に今後注目

  • 金融緩和継続による架空価値の精算
  • 大手金融機関にはモラルハザードを回避すべく強力な規制策定と監督・管理
  • 実体経済、得意雇用を促すために中小金融機関を養護する政策を検討

是非やってもらいたいものです。



2013年11月14日 ネズミ1号:略称「T」
, タグ: , ,


前ページに戻る


,  タグ: , ,


おすすめ記事

 

『イエレン氏』の関連記事

  • ||| 来年2014年:QEなどの実験は失敗、成熟国のインフレ(成長)は難しいと実感する年になる!?

    ,

  • ||| イエレン氏:銀行は銀行業務をやるべき、投機的な事をすべきではない

    ,

  • ||| イエレン氏:負の遺産の精算と米経済血流を末端まで流す政策を約束

    ,

  • ||| 量的緩和には配管整備が必要。スティグリッツ教授マクロ施策だけではなんの対策にもならない

    ,

  •  

    『金利』の関連記事

  • ||| 202X年世界経済崩壊で株価は1/10まで下落する可能性

    ,

  • ||| 換金を急ぐ売り手と突然いなくなる買い手:バブルはある日突然崩壊する

    ,

  • ||| 金利を下げて、タダに近いコストにしても、日本では資金需要が起っていなかった!?

    ,

  • ||| 株・土地バブルの為に金融引き締めを行うと経済全体を崩壊させることになるのか?

    ,

  • ||| そこまでインフレでない日本、でも住宅ローン金利上昇は避けられない!?

    ,

  • ||| 低金利が続いた住宅ローン金利の今後について調べてみた

    ,

  • ||| 四半世紀続いた米国スーパーバブル崩壊がはじまっている?

    ,

  • ||| 日本の財政は破綻する可能性はあるのか!?低い給与水準がインフレを防いでいる!?

    ,

  • ||| 日本でスタグフレーション!? 円安、国内物価上昇も所得はあがらないという悪循環がすぐそこまで迫っている!?

    ,

  • ||| コンビニ値下げ合戦参入:家計で使えるお金統計依頼過去最低に。

    ,

  • ||| 米失業率改善は人々が求職断念の現れであり、株高はリストラの進行を意味する:ノーベル経済学賞ファーマ教授

    ,

  • ||| 世界経済は失われた10年いや20年に突入する!?逆グローバル化概念で今後の米国産業構造を妄想してみた

    ,

  • ||| ハリウッドでも吹き荒れる「リストラ」の嵐

    ,

  • ||| 2015年以降-日本で大リストラがはじめる

    ,

  • ||| 世界的なディスインフレ:先進国の賃金水準、新興国にあわせ低下し続ける!?

    ,

  • ||| 成熟国では健全な経済成長はもはやありえない!? 世界が日本流の長期停滞に入る恐れも?

    ,

  • ||| 来年2014年:QEなどの実験は失敗、成熟国のインフレ(成長)は難しいと実感する年になる!?

    ,

  • ||| イエレン氏:負の遺産の精算と米経済血流を末端まで流す政策を約束

    ,

  • ||| 量的緩和には配管整備が必要。スティグリッツ教授マクロ施策だけではなんの対策にもならない

    ,

  • ||| 円安一服でアベノミクス期待後退へ!?ポジショントークによる情報戦に惑わされるな

    ,

  • ||| ウォーレンバフェット氏の投資の裏ワザ!実はすごくシンプルだった。

    ,

  • ||| 法人税増税は経済効果にやはりインパクト大!?

    ,

  • ||| 政府の景気対策はなぜ法人を優遇するような施策ばかりなのか?

    ,

  • ||| 消費税増税前の駆け込み消費は損をする!?

    , ,

  • ||| 迫り来る日本財政破綻の危機?消費税増税とアベノミクス

    ,

  • ||| すでに織り込み済みだった!?FRB出口の延期:影響についてまとめてみた

    ,

  • ||| QE3縮小延期から考えてみる庶民のマイナスシナリオ

    ,

  • ||| 太陽風が金融マーケットをリセットするXデー!?

    ,

  • ||| 例えば...共産圏へ流れるマネーという見かた。

  • ||| 円安期待が裏切られる日

  •  

    『金融政策』の関連記事

  • ||| 202X年世界経済崩壊で株価は1/10まで下落する可能性

    ,

  • ||| 成長への期待価値から収益重視の時代に・・

    ,

  • ||| 企業価値判断基準に変化:ハイテク企業の投資家評価は成長から利益重視へ

    ,

  • ||| 無料が前提だったSNSサービスも景気後退ともにフリーミアム化が推進される

    , ,

  • ||| 配当も利子もつかない仮想通過の暴落が止まらない

    ,

  • ||| 景気をけん引してきたGAFAをはじめとした巨大IT企業で不採算部門の見直しが加速する先に見えるもの

    ,

  • ||| テスラ株暴落、米国IT企業の株価下落と赤字体質脱却リストラから見るリセッション局面

    ,

  • ||| 今後、住宅ローン金利はどういったペースで上昇するのか?

    ,

  • ||| 米国2大IT企業増収・減益から読み解く米景気後退の足音

    ,

  • ||| ポンド安でEU離脱した英国の一人勝ちとなる可能性?

    ,

  • ||| 行きすぎな円安は悪い論と近隣窮乏化政策(Beggar thy neighbor)

    ,

  • ||| 最近目にする空売り系記事は米株価下落相場のポジショントーク!?

    ,

  • ||| 換金を急ぐ売り手と突然いなくなる買い手:バブルはある日突然崩壊する

    ,

  • ||| 金利を下げて、タダに近いコストにしても、日本では資金需要が起っていなかった!?

    ,

  • ||| 株・土地バブルの為に金融引き締めを行うと経済全体を崩壊させることになるのか?

    ,

  • ||| そこまでインフレでない日本、でも住宅ローン金利上昇は避けられない!?

    ,

  • ||| 半導体バブルはピークアウトするも、なぜ新車納車を1年以上待つ事態が起こっているのか?

    ,

  • ||| 四半世紀続いた米国スーパーバブル崩壊がはじまっている?

    ,

  • ||| 日本の財政は破綻する可能性はあるのか!?低い給与水準がインフレを防いでいる!?

    ,

  • ||| 日本でスタグフレーション!? 円安、国内物価上昇も所得はあがらないという悪循環がすぐそこまで迫っている!?

    ,

  • ||| 開発と製造の分離ができない自動車メーカーは凋落していく?

    ,

  • ||| 日本でも量的緩和をしているはずなのに日本の消費者物価指数が低いのはなぜ?

    ,

  • ||| そろそろ限界?世界的な金融緩和

    ,

  • ||| 量的緩和をやってしまった日・米・英がこれから直面する局面とは?

    ,

  • ||| バランスシート不況とは何か?みんなが一斉に借金返済に走るとどうなるか!?

    ,

  • ||| FRB量的緩和縮小根拠から推測する来年の景況

    ,

  • ||| 米失業率改善は人々が求職断念の現れであり、株高はリストラの進行を意味する:ノーベル経済学賞ファーマ教授

    ,

  • ||| 世界的なディスインフレ:先進国の賃金水準、新興国にあわせ低下し続ける!?

    ,

  • ||| 成熟国では健全な経済成長はもはやありえない!? 世界が日本流の長期停滞に入る恐れも?

    ,

  • ||| 来年2014年:QEなどの実験は失敗、成熟国のインフレ(成長)は難しいと実感する年になる!?

    ,

  • その他の関連記事

     

    おすすめ記事

    記事カテゴリー

    タグ

     

     

     

     

     

    ブログランキング・にほんブログ村へ
    にほんブログ村


    人気ブログランキングへ

    過去の記事