2015年08月15日 ネズミ1号:略称「T」
かわら版,
時事・経済要点
お金の価値を図る物差しとして「金利」と「為替」があると言われています。金利は、国内におけるお金の値段。為替は国際市場におけるその国のお金の値段です。元という通貨は完全自由化されている通貨ではなく、ドルにペッグ(ドル相場基準に合わせて国際市場での元の価値を決める方式)するという半ば固定相場な通貨となっているのですが、3日間に4.5%ほどお金の価値をさげてきたということですね。簡単にいうと元の価値を4.5%引き!にした訳です。米国でのQE(量的緩和):そろそろ出口を目指さないとバランスシートがやばいことになりそうな状態と迫りくるFRB利上げの時期、そしてどのドルの価値に連動して価値が決まる元という要素を踏まえて年末までの円、ドル、元の相場がどんな感じか妄想してみることにしました。
FRBの議長イエレン氏に代わってから彼女の最大の仕事は、それまでお金を摩りまくって膨大に膨れ上がったFRBのバランスシートをいつ健全な状態にもどすか?という件というような
ことが言われています。別にバランスシートが膨れ上がってもどうでもいいのでは?と思う人もいるかもしれませんが、紙幣の価値はその昔は金と交換する交換券という価値があったからこそ、単なる紙をありがたく思うようになった訳です。今では、100ドル札の価値というのは、そのお札で、ご飯が食べられたり、車に乗れたりするからなのですが、実は金というのは有限な資源で、元本となる金の価値をベースとした金本位性は70年代に崩壊しているのは周知のとおりです。現在では、贅沢で便利な生活をささえる化石燃料が買えるという価値に置き換えられていますが、実はこの化石燃料も有限な資源。そもそも地球に埋蔵されているであろう元本以上にお札をすりまくったら、ある日突然そのお札は紙屑になってしまうんですね。基軸通貨であるから大丈夫といっても、そもそも石油がなくなってしまったらと基軸に取引するものがなくなるので意味がなくなってしまうように思います。そこであまりBSを大きくしすぎると、実態経済がちょっと良くなりかける時に、国内のお金の価値が超さがるわけなので、ハイパーインフレの恐怖と戦いながら超難しい金融政策(あまり策はないでしょうが)とらなければならいという状況が到来すると想像できます。
中国では、株式バブルがはじけ、国有銀行の利ザヤ利益を保証するための金融規制により民間銀行が影で低利もしくは担保をとらないでそれなりの金利で貸し付ける不動産投資資金を融資するシャドウバンクというファイナンスが結構多くなされているようです。通常金融緩和・ゼロ金利などでお金を動かすコストがさがりますが、中国では金利はゼロ金利ということではないようです。なのになぜマンションがあんなに高いのかということを鑑みると、その昔の日本のノンバンクのようなことがなされていることが容易に想像がつくと思います。まぁ行ってみればアメリカのサブプライムの不動産投資版といってもいいかもしれませんね。
そんな状態で米国が利上げ南下した上には、元の価値があがり、株価や不動産価格が崩壊し、闇金融みたいな借金の額はそのままなのに、現金を刷り、実質借金がお金の価値が上がった分増えるという状況になるわけです。そいう意味では今回の4.5%の元の価値の値下げ幅から年末までの通貨の価値を考えると大体こんな感じ?という予想ができそうです。
アベノミクスといえば、語弊のない範囲で超簡単にいうと、「量的緩和とゼロ金利でヘリコプターからお金をばらまき対外的な円の価値を下げて、国内株式の値段を吊り上げる政策」ということができます。つまり円の価値を値下げして、じゃぶじゃぶ刷って市場に出回りお金をゲットしようと集まる投資家にお金を配りながら株価を上げる。次いでに円安になるので、空洞化した産業をまた呼び戻すという思惑が働いていると言えそうです。
元が4.5%現状の切り下げのままで、FRBが利上げをしないで、そして量的緩和を日本が今のまま継続する
円=ドル、125円×1.1=137.5円から140円
円=元、19円×1.05=20円
問う感じでしょうか?
上記条件で元が10%値引きされた場合
円=ドル、125円×1.15=143.75円から145円
※中国と日本の貿易関係指数を考慮した1/2の0.5ぐらいを適当に乗じてみる
円=元、19円×1.1=21円
うーん、これぐらいなら中国の輸出競争力もちょっとは確保できるという感じでしょうか?ただ中国においては、国内実態経済がさらに冷え込んだ場合こればかりとは言えないかもしれません。年末にかけてガソリン代は200円位になって、生活室需品は平均で2.5%から4%ぐらいは知らないうちに値上げされるのかもしれません。この前久しぶりに首都高にのったのですが、ETC週末割引はこっそりなくなっているし、首都高900円!になっていて驚いたのですが、こっそりモノの価格があがって行く現象がまるで生きているタコがぬるま湯からゆっくり煮たてられてゆでダコになってしまう姿を想像してみました。
とまぁここまでは、本当に簡単なシナリオ要素とそれにもとづく算数もどきな考え方で妄想を膨らめてきたわけですが、個人的には、経済学というと高度な予想理論やそれを立証する数学力が必要で、なおかつ訳のわからん専門用語にも精通していなければならない思われがちですが、これは、世の中を支配しようとする側からすると昔の神官やそういう人たちがむずかしいラテン語を使っていたようなものと一緒で、実は至極常識的なお話なのだと思います。有名な量子物理学者であったリチャードファイマン氏によると、「量子力学の本質を高校生に分かりやすく説明できないその人は、量子力学について理解しているとは言えない」という名言を語っていたようですが、要するに世の中の節理というものは至極シンプルで単純なものなのかもしれません。
概要(Amazonより):ケンブリッジの鬼才ハジュン・チャンによる、 初心者のための経済学入門。 「世界経済を破綻させる23の嘘」で経済学の通説をめったぎりにした 著者が、世界の全人々のために本腰を入れて書いた、経済学の正しい取扱説明書。 経済学を賢く使い倒すための本。 経済学者が決していわない経済学の5つの真実。 1 経済学の95%はただの常識にすぎない 2 経済学は科学などではない 3 経済学は、政治である 4 経済学者を信じてはいけない 5 経済学はあまりに重要だから、専門家の手に委ねるわけにはいかない こんな信念に従って、資本主義の歴史と経済の現実をリズミカルに解説していきます。 グローバリゼーションってほんとにいいの? 資本主義って、どんなふうに発展したの? 格差と貧困は、どうすればいいの? イノベーションって、どれくらい大事なの? などなど、タイムリーな話題も満載。 おもしろくてためになる経済学入門。
こうした参照記事から物事の本質みたいなものを想像できると面白いかもしれません。まぁまちがっていても答えは数か月後、数年後にでるわけですから個人的には恥ではないとおもいますので、まずは考えることをするというのがいいのでしょうね。
- 人民元値下げの影響- ((海外投資データバンク))
要旨:この流れは必然的な流れだとたんたんと分かりい内容です。- 中国、人民元の変動幅拡大へ 下げ余地拡大で輸出増狙う - ((日本経済新聞))
要旨:今回は3日間で4.5%の切り下げでしたが、変動幅は2%以内という制約の中での話。1日の変動幅を現在より拡大するとなるといろいろなことが想像できてしまうのですが- アングル:リスクオフでも円売り、人民元引き下げで見えた新潮流 - ((Reuter))
要旨:ドルのQE停止と利上げ、それにつられた上がる元(たとえ値下げしても)そのポジションは変わらず、その中で唯一QEを進める日本の円はさらに安くなる(売られる)というのは当たり前ですね。
2015年08月15日 ネズミ1号:略称「T」
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