日経サプリ:Google社の次なる標的は、自動車業界。自動車を車輪のついた自動運転が可能な自立型ロボットと、ネットワークにつながった情報端末として捉えているようです。Googleが狙うROS!?これは、RobotOSの略称のようですが、自動運転が実現すると、スマホと同様に車の価値はソフトウェアに左右される比率が高まり、モジュール化されたハードウェアの価値が大きく下がってしまうかもしれないとう事です。つまり、Androidの時のように実証された優れたOS(プラットフォーム)をいち早く無償で市場に投入し、主導権を握る。自動車メーカー各社は、基本プラットフォーム(OS)に合わせた開発をせざるを得なくなる。その内差別化ができなくなるという構図です。
今、車の根幹を支えるOSプラットフォームにおいて、Googleと自動車メーカーが熾烈な争いを繰り広げているようです。「~トヨタのソフト開発部隊が明かす車載OSへの挑戦~」の記事が興味深いですが、連結売上高23兆9400億、経常利益2兆3000億、研究開発費9400億円のトヨタが今、自動車搭載用の「標準ソフトウェア(OS)」を独自開発すると発表したそうです。コンセプトは、多数の電子制御を統合する自動車独自のOS。
※基本ソフトのイメージ:記事より引用
「自動車用基本ソフトは、信頼性、リアルタイム性、拡張性がカギになる。」そうですが、トヨタ自身この標準ソフトを業界のデファクトスタンダードにしてみんなに使ってもらっていいといっています。Googleが自動運転者を最初に発表したのは2010年のことだそうですが、依頼行動で合計48万キロを無事故で走破しているそうですが、この技術水準については、Googleの開発リーダーと話したトヨタ幹部も高い水準と認めるほどのものだそうです。
自動走行車は交差点をどうやって曲がるのか?
This Is What Google's Self-Driving Car 'Sees' as It Makes a Turn(Mashableより)
こちらの記事を見ると驚くのですが、あらかじめ作った3次元地図情報とリアルタイムに収集する走行情報を照らし合わせて最適な走行経路を計算するそうです。
Googleの自立走行社は、毎秒750MBの周囲のデータをセンサリングし処理しているそうです。例えば、路上のたばこの吸殻を認識し、吸殻があるということは、人がそこから飛び出してくるかもしれないとか、道路脇の公園ではねるボールを細くしたら、子供が飛び出してくるかもしれないなど膨大なデータを処理しているそうです。
※mashable掲載イメージより引用
電気自動車にせよ、燃料電池車にせよ、主要駆動源はモーターとなりますが、こなると複雑なエンジンやミッションがいらなくなり、車自体がモジュール化され、さらに自動走行OSが組み込まれるとなると、ハンドリングやサスペンションに関するデータも蓄積され、例えば、MBやメルセデスのフィーリングを再現するようなプログラム設定などができたりするようになるように思います。こうなると、TVがブラン官から、液晶モニターになり、職人的なチューニングが必要なくなり、一気にコモディティ化したようなことが自動車産業にも起こるということが現実なものとなるかもしれません。
モーターや、サスペンションは、台湾やアジア、インドなどの企業が低価格で製造されるようになり、自動車メーカーはアップル社のように、コンセプトで高級品を作るか、Androidのモデルのように、基本プラットフォーム支配者のしたで、なかなか差別化できないまま価格競争に陥るような構図が5年後、10年後に実際におきるのでしょうか?
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