gigazine:インターネット文化における1%ルールとは、全ユーザーのたった1%がコンテンツの作成をし残り99%のユーザーはコンテンツを消費するだけだと言われています。99%の内の9%の人は、投稿したり、コメントしたりするとも言われているので一般的に1:9:90の法則と呼ばれることもあるようです。
しかし、2012年のイギリスBBCの調査で、このインターネット文化における法則に異変が発生しているとの事。BBCの調査ではコンテンツを見ているユーザーは全体の23%に過ぎず77%のユーザーは何らかの形でコンテンツ作成に参加している言っています。
ネットでのコンテンツ作成というと昔ならブログやWeb日記などが主流でしたが、SNSなど の人気によりユーザーは知らぬ間に、コンテンツを作成する側に回っているようです。質がどうかとは関係なく、77%ものユーザーが何らかの形でコンテ ンツ作成にかかわっているという数値は驚きです。
一般的に、『許容限度を超えた情報』は『ノイズ』として捉えられるようになると言われています。ということはマジョリティがコンテンツを制作し情報発信者が増え続けることで、人が必要な情報を得たいと思ってもきちんとしたフィルタがなければ信頼できる情報そのものにたどり着けないということになってしまいそうです。
昔の ビデオゲームマーケットの出来事として「アタリショック」というのがありますが、これは品質の低いビデオゲームソフトを市場に大量に放ってしまった事で、ユーザーがビデオゲームはつまらないものだと飽きてしまった(ユーザー離れを起こしてしまった)という逸話です。インターネットも不確実な情報ばかりしかないようならば役に立たないし、つかうのをやめようとい う人が出てきてもおかしくありませんが実際はどうでしょうか?
Gunosy やSmartNewsといったソーシャル上で話題のニュースを届けるアプリがシリーズB投資という名目の元多くの資金調達をなしえていますが、まさにこうしたサービスがウケているのは、77%ものユーザーが何らかの形でコンテンツ生成にかかわっているという実態を上手に活用してるという点だと言えそうです。ネットに触れるユーザーの負担を軽減 する役割を機能的に担うことで、一気に利用者が増えたとも言えますね。
Yahoo!トピックがなぜあんなにトラフィックを集めるのか考えてみるとなんとなくわかります。こうしたアプリは人海戦術のエディトリアルをアルゴリズムで解決しているという点で課題を見事に解決していると言うことが言えそうです。
Facebook上での投稿やいいねボタンTwitterのタイムラインで日々リアルタイム繰り広げられ蓄積されるユーザーのシグナルを活用してノイズの中から価値あるものをピックアップするというサービスが注目される訳がわかると思います。それも人力ではなくある意味集団の意思によって みたいな感じでです。この点では、能動的な検索についても、ソーシャルなシグナルや著書オーソリティなどが重要な指標として活用しているであろうグーグル検索などもしっかりこうした課題を解決しているという事ができます。
Googleなどの検索におけるアルゴリズムも、以前はページランクという指標が叫ばれていましたが、近年では、ソーシャルシグナルによる注目度、情報発信者の影響度や信頼性を重視する検索結果表示順位がなされるようになりました。
77%のユーザーが何らかの形で情報の発信者としてかかわるインターネットの中にあって、このように価値ある1%ネタを発掘するための有益なアルゴリズムを実装したサービスが今後ユーザーの気を引くことになるかもしれません。
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