techcrunch:ミーム(meme)とは情報が人々を経て伝播してゆく仮定で初期のものからさまざまな形に変容し伝わってゆく事象を指したものだそうですが、簡単に言うと情報の伝達の模様をちょうど遺伝子情報が引き継がれる様にたとえてみた感じのものだと想像すると解りやすいかもしれません。
遺伝子では、ある環境下で突然変異がおきたりして多様性が生まれるようですが、ミームも遺伝子と同じようにある条件下でちょっとした変異や亜種が生まれることで、オリジナルな情報が多様な形で伝播し、受け手にとって都合のよい有益な情報として伝わるということがフェイスブックの最新の研究で明らかにされたそうです。
例えば、主義主張の異なる立場では同じ情報も変異して伝わるというのですがその例が下記だと説かれています。
リベラレル派の主張
「人は医療保険がないために死んではならない」保守派の言い換え(変異)
「人はオバマケアに医療保険を制限されたために死んではならない」
情報が伝わる人の心は、情報を変異させる環境触媒として機能するという言えるのだそうです。リベラル派の主張は、保守派からすると医療保険制度により、受けられる 医療が制限されるという立場から当初のリベラル派の主張が保守派の伝える人を経ることで上記のように違った主張となって情報が伝播されるという事がおこるのだそうです。
このようにして、ミームは伝える人の立場や心境により、情報自身への変更が加えられ、変異して伝えられることがフェイスブックの研究から明らかになったされています。これは遺伝子とほぼ同じ作用だと記事中では述べられていますが興味深い性質です。
また、今回のフェイスブックの研究から、ミームが生来の突然変異を起こす傾向を持ち、その変異がシェア回数を増やすことがわかったそうです。
といううことは「リミックされやすいように意図的にメッセージを構成することができる。」ということも現実味を帯びてくるそうです。
具体的には、さまざまな立場の意見が存在するような伝播されやすい情報という種をまき、自分自身で変種を幾つかつくりあげることで、テンプレートがどのように働き、読者にリミックスを作るように具体的に仕向けることができるようになるかもしれないそうです。
今後マーケッターや企業の宣伝担当は、広報・PR戦略の建て方がますます巧みになり、意図する形で情報を伝播させるような事が企画できるようになるのかもしれません。
フェイスブックのようなソーシャルネットワークは、「ミームがどのように進化していくかを理解することで、ユーザーが新鮮なコンテンツを見続けることができるような演出することが可能となるのではないか」と記事中で述べられていますが、アルゴリズムを使って、ミームに変異を起こした変種を探し、ニュースフィー ドへオリジナルともに掲載することで、話題性を呼ぶ(拡散する)ニュースネタを高い確立で掲載し続けることができるようになるかもしれません。
これは簡単にいうと世間でインパクトがある情報を自動的にフィルタリングもしくはピックアップする機能が開発されるかもしれないということのようですが、このような、人々に伝播しそうな情報を見極めて集めるといった技術が確立されることで、まったく新しいマーケティング手法が確立される事になるかもしれません。
過去の記事